保険料節約

養老保険を契約する前に知っておくべきメリット&デメリット

保険と言ってもさまざまなタイプがあります。「掛け捨て」と呼ばれる定期保険や「積み立て」と呼ばれる終身保険の2種類が主な保険ですが、これ以外にも「養老保険」というタイプの保険があります。

この養老保険は定期保険や終身保険に比べて少し複雑になっています。そのため、養老保険の特徴やメリット・デメリットを知っておかないと損をする危険性があります。

そこでここでは養老保険の特徴について詳しく解説します。無理に養老保険を選択する必要はありませんが、保険の見直しや保険選びの予備知識として知っておくといいでしょう。

 

養老保険とは?

養老保険の特徴は主に2つ。

・保障期間が定められていてその間に万が一の事態が発生した保険金がもらえる
・保障期間内に万が一の事態が起きなかった場合「満額給付金」がもらえる

つまり、養老保険とは定期保険と終身保険を足して2で割ったようなタイプの保険・・・ということ。定期保険、終身保険の特徴については下記ページで解説しています。

定期保険の特徴
終身保険の特徴

定期保険のように期間内に何もなければ保険料は返ってこないことはありませんし、終身保険とは違って“保険金”以外でもお金がもらえます。しかも満額給付金には金利が派生するため、販売当初は金融商品としての側面が強い保険でもありました。

もちろん保険ですから万が一の事態が発生すれば保険金が発生します。そういう意味では養老保険はかけた保険料がムダになりにくい保険といえるでしょう。

養老保険のメリット

養老保険の最大のメリットは保障期間が定まっていながら保険料がムダにならない点です。満期になれば満額給付金が受け取れるため、定期保険に入るよりも総合的な金銭的負担とも言えます。

さらに満額給付金は金利が発生します。

金利が高ければ満期になった際にもらえる給付金の額も大きくなります。金利については販売された時代や保険会社によって異なりますが満額になれば支払った保険料以上のお金がもらえます。

特に養老保険が出始めた2000年前は金利も高く設定されていたため“資産運用”の手段の1つとして購入した人も多いと思います。もしその当時養老保険に加入していて今もなお継続しているのであればまぎれもなく「お宝保険」なのでこの先どうするか?を冷静に判断しましょう。

養老保険のデメリット

先ほど紹介した養老保険のメリットを見て「加入したい!」と思った人もいるかもしれませんが、残念ながらデメリットもあります。まず1つが保険料の高さです。

終身保険もそうですが、貯蓄や資産運用の側面があるタイプの保険の多くは比較的保険料が高めに設定されています。そのため、いたずらに保障を増やしたり特約を追加すると保険料が高くなって家計の支出を圧迫する危険性があります。

さらに、養老保険は満期になれば満額給付金がもらえる・・・と言いましたが、満期までの期間は決して3年や5年で満期と言った短い期間ではありません。

加入する保険によっても違いますが基本的に十年単位なので、一度加入したら長く続けないと結果的に損をする危険性もあります。そのため、終身保険と同様に見直しが難しいのも養老保険のデメリットと言えるでしょう。

そして最大のデメリットが金利です。

販売当初の2000年前後であれば金利が高い状態で加入できたのでまだ資産運用としての価値はありますが、現在の養老保険の金利は決して高いものとは言えません。つまり“資産運用”目的で養老保険に加入しても大した効果は期待できない・・・ということ。

「せっかく保険料を払うのだから・・・」と掛け捨てに否定的な考えを持っている人からすると養老保険はもってこいの保険かもしれませんが家計の支出を考えると決して大きなメリットがあるわけではないことだけは覚えておくといいでしょう。

 

養老保険は「おすすめ」なのか?

先ほど養老保険の特徴とメリット・デメリットをお話ししましたが、総合的に見て養老保険は「おすすめ」なのか?結論から言いますと無理に加入する保険ではないと思います。

確かに養老保険は定期保険と終身保険の両方の特徴を持っています・・・が、メリットだけを受け継いだわけではありません。保険料が高い割に保障期間が定められているため“保険”としてみると定期保険や終身保険で加入したほうが良い場合もたくさんあります。

また、今から養老保険に入っても金利が低いため資産運用の観点からもあまりお勧めできません。

そもそも保険とは「万が一」に備えてかけておくものであり、貯蓄がしたければ貯金を、資産運用がしたければNISAや投資信託などといった投資をすればいいと個人的には考えています。ですから“両方いいとこどり”に見える養老保険は一見オトクに感じますが、実はどちらも中途半端になる可能性が高いため、結果的に損をするリスクを含んでいるのです。

少なくとも“万が一の事態”に備えた保険が欲しいのであれば、養老保険ではなく定期保険や終身保険で加入した方が保険料的にも保障的にもオトクになると思います。よほどの理由がない限り、養老保険での加入は控えたほうが良いのでは・・・?というのが個人的な意見です。

養老保険の販売は現在控えめ?

養老保険の加入はあまりおすすめしませんが、実は保険会社も積極的に養老保険を販売していません。おそらくこちらから「養老保険に入りたい」と言わない限り提案してこない保険会社が多いと思います。

養老保険はバブル期にできた保険です。そのため金利も高く設定できましたが現在はバブル期ほど社会が好景気ではないため、金利が低く設定されています。

つまり保険会社も養老保険を推す強みが難しいため、そこまで積極的に販売していない傾向があります。

 

養老保険の契約をおすすめできる人の特徴

大切なことなので2回言いますが、養老保険は無理に加入するタイプの保険ではありません。万が一の保障が欲しいのであれば定期保険や終身保険を上手に組み合わせたほうが、必要な保障を安い保険料で手に入れられます。

ただ、養老保険が絶対にダメ!というわけではありません。場合によっては養老保険に加入したほうがいい人も中にはいます。

特に次の2つに該当する人は養老保険の加入を検討する価値はあると思います。

貯金が苦手な人

養老保険は保障期間が決まっており、満期になれば満額給付金として保険料が返ってきます。これを利用して“将来必要なお金”を養老保険で貯める・・・というのは貯金の仕方としては「アリ」だと思います。

特に貯金が苦手な人や節約ができない人は「保険料」という形で貯蓄ができるため、毎月の収入から“貯金”というお金を分ける項目を作る必要がありません。保険料の支払いがそのまま貯金につながるわけですからね。

ただし養老保険を使って貯蓄をする場合、急にお金が必要になった時におろせない可能性もあります。そのため養老保険を使ってお金を貯めるのであれば

・自身の老後の生活費目的の貯金
・子供の教育費

といった十年以上先に使う用のお金のみにするといいでしょう。

安定重視の資産運用をしたい人

現在は金利が低いとはいうものの、満額になれば給付金がもらえるのが養老保険の特徴です。しかもよほどのことがない限り満期になればお金がもらえるため安定した資産運用がしたい人も、あえて養老保険に加入するのはアリだと思います。

現在資産運用は色々な方法が紹介されていますが、どれも専門的な知識が必要です。そのため、勉強しないまま実践すれば元本割れ(資産運用に使ったお金が減る)の危険性だってあります。

その点養老保険は保険を契約した後はそのまま満期まで待てばいいだけですから、資産運用の専門的な知識は必要ありません。元々養老保険は販売当初「資産運用」目的で販売されていた経緯もありますので資産運用を始めるきっかけになるでしょう。

ただし、養老保険の金利については時期によっても変わりますし保険会社によっても微妙に前後します。加入する前にどこの会社の保険に加入するか?については慎重な吟味が必要になるのでそれだけは忘れないように。

 

まとめ

これまで養老保険の特徴について簡単にまとめましたがいかがでしたでしょうか?もっと細かくお話しする点はありますが、ひとまずここで紹介した内容だけ理解してもらえれば保険の見直しや保険選びの参考になると思います。

ただ、保険はその人の収入・家族構成・年齢などによってベストな選択肢が異なります。また保険の種類も多いため「どれが自分にとってベストなのか?」を判断するのが困難です。

そんな時はプロに相談するのが一番。最近は保険について無料で相談に乗ってくれるサービスもありますので、それらを活用して自分に合った保険に加入しましょう。

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