保険の中でも加入者が多いのが医療保険です。病気やケガなどで入院したり手術したりするためのお金を保険で賄うために加入しているのでしょう。
しかし、医療保険の詳細まできちんと把握している人は決して多くありません。そのため
「どんな医療保険に入ればいいんだ?」
「そもそも医療保険っているの?」
なんて悩みを持っている人もいるはず。
そこでここでは医療保険の特徴と失敗しない選び方について紹介します。もし医療保険の加入や見直しを検討されている人はぜひ参考にしてください。
目次
医療保険とは?

医療保険とは一般的に病院でかかる費用(医療費)を一部もしくは全額負担してくれる保険のこと。もちろん病院でかかる必要であれば、ケガでも病気でも適用されますし入院・手術でも医療保険が適用されます。
一般的に『医療保険』と聞くと入院や手術にかかる費用を負担してくれるものをイメージされる人が多いと思いますが、実はそれ以外にも医療保険はあります。
その1つが“国民健康保険”です。
病院やクリニックで健康保険証の提示を求められ、提示すると治療費の3割だけ負担すればよくなりますよね?これも立派な医療保険の1つです。
健康保険以外にも、国や自治体が保障してくれる医療保険があります。それらを『公的医療保険』と言います。
つまり医療保険とは
国や自治体が保障してくれる『公的医療保険』
民間の保険会社が保障してくれる『民間医療保険』
の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
公的医療保険とは?
先ほども紹介しましたが公的医療保険とは国や自治体が提供している保険を指します。国民健康保険や社会保険がこれに該当します。
また手術で高額な医療費が発生し、自己負担額が一定以上超えた場合、『高額療養費』によって自己負担限度額を超えた金額を払い戻すことができます。それ以外にもさまざま公的医療保険があります。
ただし、治療費であれば全て保険が適用されるわけではありません。
例えば虫歯の治療は保険が効きますが、インプラント治療は健康保険が適用できず全額自腹です。それ以外にも美容整形やレーシック手術などといった治療以外の医療行為も保険が適用されません。
民間医療保険とは?
民間医療保険は、民間の保険会社が販売している生命保険の一種です。主に入院や手術といった医療費が膨らみやすい事態になった時に保険金が発生します。
公的医療保険はほぼ強制的に加入させられますが、民間の保険会社については任意です。また、保険の種類や保険会社によっても保障内容が変わってくるため、自分が欲しい保障内容を自由に選択できます。
医療保険が負担してくれる医療費とは?

医療費で最もお金がかかるのは
入院時
手術をする時
の2つです。もちろん医療保険はこの両方に対応していますし、民間医療保険であればより厚い保障が受けられたりもします。
また健康保険であればそれ通院でも保障が受けられます。(ただし健康保険における通院保障は医療費支払いの際に適用されるため、お金がもらえる・・・といったタイプではありませんが)
つまり、別に民間の医療保険に加入しなくても公的医療保険だけで十分医療費がカバーできる場合もあるということ。
確かに手術をする場合健康保険を使っても医療費は高くなります・・・が、高額療養費を申請すれば支払った医療費の一部が返還されるため、医療費が一定以上多くなることはありません。
ただし、公的医療保険だけでは医療費の負担額を「ゼロ」にはできません。また公的医療保険では適用できない治療もあるため、併せて民間医療保険にも加入しておくと安心でしょう。
民間医療保険に加入する際に注意すべきは入院や手術をしたら問答無用で保険がおりるわけではない点。例えば
「入院10日以上で1日5000円給付」
だった場合、入院期間が5日だと保険がおりないわけです。この辺は各保険会社や商品によって異なるので、民間医療保険に加入する場合は必ず確認しましょう。
民間保険であれば「特約」でカバーできる
公的医療保険の場合、保険が効く・効かないのボーダーラインがハッキリしています。しかし民間医療保険では「特約」を使って保障内容を増やせます。
特約とはいわゆる「オプション」みたいなもので、主契約にはない保障をプラスできるもの。この特約を活用することで欲しい保障内容がつけられます。特約については下記ページで詳しく紹介しています。
≫ 特約とは?
医療保険を安く済ませるための選び方

医療保険は入っておいて損はない保険ではあるものの、毎月お金(保険料)がかかるものですから、できれば安く済ませたいですよね?
医療保険を安く抑えたいのであればぜひ次のポイントを意識して見直しや保険選びを行ってください。これだけでも保険にかかる支出を抑えられます。
公的医療保険の「適用範囲」を知る
公的医療保険でカバーできない部分を民間の医療保険に加入するのが医療保険節約の基本です。そのためにはまず『公的医療保険がどのくらい保障してくれるのか?』を知っておかないといけません。
実は公的医療保険の保障内容はかなり広いです。風邪やちょっとしたケガで通院するだけでも使えますし、医療費が高額になったらその一部を返金してくれますからね。
民間の医療保険は公的医療保険の保障だけでは物足りなかったり、保障してくれないところだけをカバーできればOK。例えばがんにかかった場合を想定して「がん保険」に入るのも1つの方法だと思います。
つまり医療保険ですべての医療保障を網羅する必要はない・・・ということ。公的医療保険については役所などで相談すればいろいろ教えてくれますので一度相談に行ってみてもいいかもしれません。
できれば「終身」よりも「掛け捨て」で
民間の医療保険の加入方法は「掛け捨て」と「終身」の2つがあります。最終的にどちらがいいか?はその人次第ではあるものの“保険料を安く済ませたい”と思うのであれば「掛け捨て」中心に保険を考えたほうが良いでしょう。
終身の場合、生涯にわたって保障してくれる反面保険料が割高になってしまいます。若い時から終身に入っておけばまだ保険料は抑えられますが40代くらいから終身で加入するとかなり高い保険料を何十年も支払いわないといけないため、家計への負担が大きくなりがちです。
また、年が重ねっていくと公的医療保険の保障内容を厚くなっていきます。そう考えるとわざわざ終身である必要性がそこまでないため、掛け捨てで加入した方が賢いと言えるでしょう。
特約は極力つけない
先ほど「特約を付ければほしい保障をカバーできます」とお話ししましたが、保険料を抑える点で言えばあまりお勧めしません。なぜなら特約をつければ保険料が高くなるからです。
また、特約でカバーするよりも別の医療保険に加入した方が結果的に保険料の節約につながるケースもあります。例えば医療保険にがん特約をつけるよりも医療保険とがん保険の2つに入ったほうが安くなった・・・みたいな。
もちろん実際にどちらが安くなるか?は見積もりを取ってみないと分かりませんが、無理に1つの医療保険にこだわる必要はない・・・ってことだけ覚えておいてください。
定期的に保険を見直す
医療保険に限ったことではないですが、保険料を安く抑えたいのであれば定期的に見直すようにしましょう。見直しをすることでその都度必要最低限な保障だけを確保しつつ保険料を抑えられます。
保障内容は家族構成だったり年齢によって変わります。定期的に見直しをすれば
「保険金がこれだけじゃ足りない!」
「保険がおりないとか困る!」
といった事態もなければ、厚すぎる保障内容によって保険料が高いまま・・・ということもなくなります。常に適切な保障内容と保険料にするためにも3~5年に1回は加入している保険を見直してください。
見直しは保険相談サービスを活用する
先ほど「医療保険を見直しましょう」とお話ししましたが、自分の力だけで適切な保険を探したりするのは大変です。なんせ保険は種類も多く商品自体も複雑なため、どこから見直したらいいか分からない人が多いと思います。
そこで活用するのが無料の保険サービスです。
現在保険について無料で相談に乗ってくれたりアドバイスしてくれるサービスが増えています。こうしたサービスを活用して自分に合った保険を組んでもらってください。
保険相談サービスについては各会社が色々な形で展開しています。できれば一社だけで判断せずいろんな会社に相談して一番しっくりくる提案をしてくれたところにお願いするといいでしょう。
まとめ
医療保険についてまとめてみましたがいかがでしたか?おそらくほとんどの人が公的医療保険を利用しているでしょうから、イチからすべての医療保障を揃える必要はありません。
ただ公的医療保険の保障内容については自治体などによっても微妙に違う可能性があるため、一度役所に行って相談してきてもいいでしょう。そこから「こんな保障があれば・・・」というものだけ民間の医療保険で補えば保険料も安く抑えられるはず。
ここで紹介した内容を元に、医療保険を上手に組み合あわせてみてください。