投資・資産運用

初心者がNISAを始めるにあたって注意すべきポイント

資産運用や投資に興味がある人が増えてきました。その中でもNISAに手を出してみようと考えている人もいるはず。

NISAは投資で得た利益に対しての課税が非課税になる制度のこと。少額の投資に限定されますが利益が100%手元に入ってきますのでこれから投資や資産運用を始める初心者はNISAから始めてもいいかもしれません。

ただ、NISAを始めれば100%お金が増えるものではありません。

NISAはあくまでも制度であって投資法ではないですからね。しかもNISAを始める際にもいくつか注意点があり、そこを間違えるとNISAのメリットを全く感じられなくなります。

そこでここでは、特に投資初心者に知ってもらいたいNISAを始めるにあたっての注意点を紹介します。

 

NISAを利用する「目的」を明確にする

NISAを始める前に・・・というか投資や資産運用を始める前にハッキリさせておくべきことは「何のために投資をするか?」です。これが明確になっていないとかなり高い確率で失敗します。

なぜなら現在NISAは普通のNISAと「つみたてNISA」の2種類あるからです。

つみたてNISAはNISAよりも小額から始められる上に投資期間も長いため、投資経験や資産運用をしたことがない人にはお勧めです。ただし、選べる金融商品がNISAに比べて少ないため、NISAよりも大きな利益を得られにくい特徴があります。

NISAがいいか、つみたてNISAがいいかについては人によって異なります。例えば同じ投資初心者でも

「できれば損失はなるべく出したくない」

と考えているのであればつみたてNISAのほうがお勧めです。逆に

「なるべく多くお金を増やしたい」

と考えているのであればNISAのほうが可能性はあるでしょう。(とはいってもNISAにも投資上限があるのでそこまで多くの利益が見込めるわけではありませんが)

また、NISAをきっかけに本格的に投資を勉強したいのであれば個人的にはNISAから始めた方が可能性は広がると思います。このように、その人によって思惑や目的が違う以上“どこからスタートするか?”のスタートラインが変わってくるのです。

別にNISAはいつから始めてもいいので

・NISAを始める目的
・投資に手を出す目的

などを自分の中でハッキリさせてから行動すると、後々の失敗も少なくなると思います。

初心者なら「つみたてNISA」から始めよう

人によって投資経験や知識はバラバラです。これまで投資である程度お金を増やしてきた人もいればまったく初心者という人もいるでしょう。

もし投資経験がゼロで全くの初心者というのであれば、つみたてNISAを選ぶのをお勧めします。

つみたてNISAの特徴としては

・選べる金融商品が少ない
・少額から始められる

などがあります。

「選べる金融商品が少ない」のは一見デメリットに感じますが選択肢が少ない分どれがいいか?を確認する手間が少なくなるため、初心者にはメリットと言えるでしょう。しかもつみたてNISAで選べる金融商品は金融庁が定めた基準をクリアしたもの(投資信託もしくはETF)なので、ハイリスクなものはほとんどありません。

また少額から始められるのは、万が一失敗しても損失が抑えられるため、初心者でも安心して取り組めます。もちろん投資額が少額ならリターンも小額になりますがつみたてNISAの場合、20年間投資できるため、長期的な視点で考えると決してバカにできない利益を生み出す可能性があります。

以上の点から、NISAを使って資産運用デビューをするならつみたてNISAのほうが良いと言えるでしょう。

ETFとは?

ETF(Exchang Traded Funds)とは日経費金株価や東証株価指数(TOPIX)など特定の指数の動きに連動するように作られた金融商品のこと。長期投資に適しておりTOPIXや日経平均などを無理のない金額で始められるのが特徴です。

「なんとなく始める」はやめましょう

テレビCMなどが流れていますし投資や資産運用に関心がある人も多いため、NISAに対して安易な考えを持っている人も少なくありません。「とりあえずやってみようかな」みたいな軽い気持ちで始めてしまう人もいるでしょう。

しかし、なんとなく始める人ほど投資に失敗する可能性が高くなります。なぜならなんとなく始める人の多くは投資を軽視している傾向があり「簡単に稼げるでしょ♪」と思っているからです。

投資は決して簡単ではありません。むしろこれといった正解がない分、自分で正解を導き出すまでにいろいろ勉強したり経験したりする必要があります。

ハッキリ言って今すぐ投資や資産運用をする必要はないですし、始めたからと言ってすぐにお金が増えるものではありません。投資に対するリスクやデメリットをしっかり理解してから始めた方が損失も最小限に抑えられるのでまずは投資や資産運用の特徴について勉強してみて下さい。

 

証券会社を選ぶ際は慎重に

NISAを行う上でNISA口座の開設は必須です。口座開設は各銀行や郵便局や信用金庫、さらには生命保険会社などでも口座が開設できます。

そう考えると誰でも気軽に解説できると思うかもしれません。しかしだからと言って気軽に口座を開設しないように。

NISAの口座は確かに簡単に開設できます。しかし1人1口座しか開設することができないため、1度開設してしまうと新たに“作り直し”が効きません。

例えば生命保険会社の営業マンに勧められてNISA口座を開設したとします。その後メインバンクとして使っている銀行でNISA口座を開設するとお得なキャンペーンを開催していることを知って再度申請しても、すでに生命保険会社で開設しているため銀行でNISAの口座は開設できないのです。

そしてNISAの口座の特徴も各金融機関によって異なります。

具体的には

・1回の取引当たりにかかる手数料
・NISAで投資できる金融商品の種類

などは開設した金融機関によって変わってきます。また口座開設の際にもらえる特典やキャンペーンなども違いますし、投資や資産運用に関するサポート体制もバラバラです。

どこの金融機関でNISA口座を作るか?は、今後の資産運用のやりやすさに少なからず影響してきますので、安易に決めずいくつか候補をしぼり、しっかり比較して決めるといいでしょう。

 

NISA口座を開設=節税ではない

NISAは投資で出た利益に対して非課税になる制度です。そうやって聞くと特に初心者は「税金がかからない」と思うかもしれませんが実は少し違いします。

確かにNISAで取引すれば利益に対して税金はかかりません。ですが投資で利益が出る保証まではされていません。

NISAはあくまでも制度であり100%投資で利益がでる“手法”ではありません。ですからNISA口座を開設するのがゴールではなく、開設してから具体的にどう投資して資産を増やしていくかを考えなければいけないのです。

そして投資には必ず「資産が減るリスク」があります。資産運用に伴うリスクについては下記ページで具体的に言及しています。

≫あなたは知ってる?資産運用の意味と基本的なやり方

NISAで取り扱える金融商品の中には投資信託もあるので、絶対に自分で取引しないといけないわけではないですが、自身で投資について勉強しないと損失を出す可能性が高くなります。損失が出れば非課税の恩恵を全く受けられません。

NISAに興味を持つ前に「投資」に興味を持って自発的に勉強することが大切です。

NISAでも課税される場合がある

NISAは投資で得た利益に対する課税がかからない制度ですが、実はNISAを使っていながら課税されるケースもあります。その1つが配当金の受け取り方法の選択ミスです。

株を購入すると購入金額に応じて配当金がもらえます。とはいっても原因書留で配当金が送られてくることはなく指定した口座に振り込まれるのですが、この時指定する口座を間違えると非課税の対象にならなくなります。

配当金の指定(配当金受け取り方法)は主に3つあります。

株式比例配分方式:受取先が証券口座
配当金領収証方式:受取先がゆうちょ銀行
登録配当金受領口座方式:受取先が銀行口座

NISAを使う場合、受取先を証券口座にする必要があるため『株式比例配分方式』を選択しないといけません。それ以外の方式で受け取ると課税対象となってしまいます。

それ以外にも

・NISA口座からNISAでない口座に株を移動させた
・NISANの期間が終了した(最大5年)

などは非課税の対象になりませんので、NISAを使って投資をするのであれば上記の内容はきちんと確認しましょう。

 

まとめ

初心者がNISAを始めるにあたって注意すべき点はそこまで多くありません。そもそもNISAは口座を作っただけではほとんどと言っていいほど意味を成しません。

大事なのはNISAを使って資産運用で利益を出すこと。

ですから、NISA口座を開設してからが本当のスタートと言えるでしょう。とはいっても、正しい始め方をしないとせっかく始めてもNISAのメリットを受けられません。

初心者だからこそスタートが肝心です。ここで紹介した注意点を参考にしながらNISAの準備を進めてみてください。

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