家計の電気代を節約したいなら消費電力の多いところから節電するのが基本です。その1つが冷蔵庫です。
冷蔵庫は他の家電と違って24時間稼働させなければいけません。そのため冷蔵庫の節電方法は他の家電の節電方法とは少し違います。
当ページでは冷蔵庫の節電方法を7つ紹介します。冷蔵庫の使い方やムダな電力消費を省けば年間で4,000円以上の電気代節約も期待できるのでぜひ実践してみてください。
目次
冷蔵庫内の温度を調節する

冷蔵庫の節電を考えるのであればまず確認すべきは冷蔵庫内の温度です。特に冷蔵庫を買ってから温度を一度も調整していない人は必ず現在温度調整がどうなっているか確認しましょう。
冷蔵庫を買ったまま温度調節をしていない場合、設定温度が『強』になっていると思います。しかし『強』設定でないと冷蔵庫の中の食材が安全に保存されないか?というとそんなことはありません。
『中』や『弱』にしても効果として大きな違いはありません。つまり設定温度が『強』のままだとムダな電力を消費している・・・ということになります。
経済産業省の資源エネルギー庁が発行している『家庭の省エネ徹底ガイド』によると周囲の温度(部屋の温度)22℃で設定温度を『強』から『中』に替えた場合年間で61.10kWhの電力を節約できると言われています。
これは電気代に換算すると年間で1,670円の節約になります。
冷蔵庫の温度調整ダイヤルは各冷蔵庫によって異なります。ドアの外側正面にある冷蔵庫もあれば庫内に設置されているタイプもありますので
という人は一度チェックしてみてください。
「中」や「弱」運転にして食材は痛まないか?
冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」や「弱」に替えるだけで年間の電気代を約1,600円煙節約できます。しかし
・・・という不安を覚える人もいると思います。結論から言いますと「中」設定であれば庫内の食材が痛む心配はありません。
実際に冷蔵庫の設定温度を「強」から「弱」に替えて電気代節約を検証した人がブログでその結果を発表していました。
![]()
1週間後、冷蔵庫に入っている食品をすべて棚卸しして調べてみたが……冷蔵室の食品はまったく問題なし! というか上のグラフで示した通り、弱でフツーに使っている分には、昼間の暑いときのドア開閉で、最大で3℃ほど上がるだけだったので、問題ないのは当然の結果だ。
続いて野菜室を調査してみると、レタスの葉をもぎ取った部分が若干茶色くなっている程度で、ほかの野菜は何も問題はなかった。続けて冷凍庫だが、これまた問題はなし。引き出し式なので、さほど温度が変化しないし、凍った食品が保冷材の役割を果たすので、野菜室より温度は一定に保たれている。
というわけで、結論として言えるのは「弱運転に切り替えても大丈夫!」ということだ。節電系のサイトでは、「中または弱に変える」と謳っているところもあるが、いきなり「強」から「弱」にしても問題なさそうだ。
そもそも雑菌が繁殖するのは10℃~60℃の間と言われています。上記の検証結果のグラフからも分かる通り「弱」設定でもドアの開閉さえしなければ庫内は10℃以下をキープできます。
つまり冷蔵庫を「強」設定にしておく必要性は食材の衛生面から考えても“ムダ”というのが分かりますよね?
夏場など暑い時期になると食材が痛みやすいため一時的に「中」設定にするのはアリだと思います。しかし「強」設定にまで引き上げる必要性はないのでもし今使っている冷蔵庫の設定が「強」なのであればすぐに「中」か「弱」に変更しましょう。
ちなみに冷蔵庫によっては箇所ごとに細かく温度を設定できるタイプもあります。その場合は
- 冷蔵庫:1℃~5℃
- 冷凍庫:-22℃~-18℃
- 野菜室:3℃~7℃
を目安に温度調節をしてください。
冷蔵庫のドアの開け閉めは極力少なく

冷蔵庫の節電対策としてもっともポピュラーなのは『扉の開閉回数を減らす』です。
冷蔵庫は庫内の温度を設定温度になるよう調整していますが冷蔵庫の扉を開けると外の空気が庫内に入り込んでしまいます。当然庫内よりも室内の空気の方が暖かいため扉を開けると庫内の温度が上がってしまいます。
すると冷蔵庫は再び設定温度になるよう電力を消費して調整します。つまり扉の開閉を頻繁に行えれば行うほど冷蔵庫の消費電力は上がっていくのです。
では冷蔵庫の扉の開閉が少ないとどのくらい節電効果があるのか?
経済産業省の資源エネルギー庁が発行している『家庭の省エネ徹底ガイド』では冷蔵庫を12分ごとに25回、冷凍庫を40分ごとに8回扉を開閉した時の消費電力と開閉回数を2倍に増やした時の消費電力を比較した結果が掲載されています。
その結果は開閉回数を2倍に増やしただけで年間の消費電力が10.40kWh増えたようです。金額にすると280円電気代が増える計算になります。
さらに扉を開けている時間を10秒間の時と20秒間の時の消費電力の比較がされていました。その結果扉を開けている時間が20秒から10秒にするだけで6.10kWh(約160円)の節電効果がある・・・と書かれています。
つまり冷蔵庫の電気代を節約するには
- 無意味な扉の開閉はしない
- 開けたらなるべく早めに閉める
の2つが基本となります。ついクセで冷蔵庫を頻繁に開けてしまう人は電気代の無駄遣いをしているので早速やめましょう。
長時間扉を開けない時は「節電モード」に
節電モードとは庫内の温度調整を少し緩めて消費電力を抑えるシステムを指します。例えば日立の冷蔵庫に搭載されている節電モードの場合通常運転よりも10~12%の節電効果があると言われています。
普段は通常運転のままでも構いませんが、冷蔵庫を開ける機会が少ない時間帯は節電モードに切り替えると電気代の節約につながります。例えば
- 夜寝る前
- 仕事や学校などで自宅に誰もいなくなる時
- 旅行などでしばらく帰宅しない時
などは節電モードに切り替えるのがおすすめです。
ただし、冷蔵庫の温度設定によっては節電モードにしても効果がない場合もあります。
例えば先述した日立の冷蔵庫もホームページでは節電モードによって通常運転の時よりも約10%~12%の節電効果があると記載しています。しかし注意書きに以下の内容が補足されています。
注2 R-XG6700Gの場合。JIS C 9801-3:2015測定基準とは異なります。温度設定は全て「中」、最小必要設置スペースへの据付での比較。室温32℃の場合、通常時:1.190kWh/日、節電モード時:1.045~1.065kWh/日。室温16℃の場合、通常時:0.570kWh/日、節電モード時:0.496~0.513kWh/日。ご使用の状況により節電効果は異なります。温度設定が「弱」の場合は、節電効果は得られません。
簡単にまとめると節電モードを使えば必ず10%~12%の節電効果が得られるわけではない・・・ということ。特に『温度設定が「弱」の場合は節電効果が得られません』と書いてあるように、通常の温度設定によっては節電モードがあまり効果を発揮しない可能性もあります。
とはいっても、温度設定が「中」であれば節電モードによって電気代は節約できるのは確か。少し古いタイプの冷蔵庫だと節電モードそのものがついていないかもしれませんが、もし節電モードが搭載されている冷蔵庫があれば積極的に活用すると電気代を抑えられるでしょう。
冷蔵庫の負担を減らすと節電効果大

- 庫内の設定温度
- 扉の開閉回数を減らす
上記2つを心がけると冷蔵庫の消費電力が減って電気代も節約できます。どちらも決して難しくないので早速今日からでも取り掛かってみてください。
さらに冷蔵庫の負担を減らすような使い方を心がけると節電効果はさらに高まります。
冷蔵庫に負担をかけると冷蔵庫の消費電力が増えてしまいます。冷蔵庫は24時間稼働しているため負担が多い使い方をすると電気代に大きく反映されます。
冷蔵庫の節電をするのであればなるべく冷蔵庫に負担がかからない使い方を心がけましょう。冷蔵庫に負担をかけない使い方とは次の3点です。
庫内に食材を入れ過ぎない
経済産業省の資源エネルギー庁が発行している『家庭の省エネ徹底ガイド』によると冷蔵庫に食材を詰め込んだ状態から中身を半分取り出してスペースを作った状態にするだけで年間43.84kWh(電気代に換算して約1,180円)の節約ができると書いてあります。もし冷蔵庫の中身がキチキチになっているのであれば庫内にスペースを空けるよう冷蔵庫の中身を整理しましょう。
と思うかもしれませんが、冷蔵庫に詰め込み過ぎると冷気が庫内に循環しにくくなります。そのため冷気を作るための消費電力が増えるため電気代が増えます。
節電を考えるのであれば冷蔵庫の中身はスペースができるくらいの量に留めましょう。目安としては5~7割くらいの容量に留めておくのがいいでしょう。
常温で保存できるものは冷蔵庫から出したほうが電気代節約につながります。常温でも保存可能な食材とは例えば
- お米
- 乾麺(パスタ、インスタントラーメン)
- パン
- 根菜類(ごぼう、玉ねぎ、ニンジンなど)
- いも類(じゃがいも、さつまいもなど)
- 冬の果物(りんご、みかんなど)
- 乾燥タイプの海藻類(わかめ、ひじき、昆布など)
- 缶詰
- 調味料
など。上記の食材は常温でも数日間は持ちますので無理して冷蔵庫に入れる必要はないので、もし冷蔵庫がパンパンなのであれば優先的に取り出して庫内にスペースを作りましょう。
冷凍庫はキチキチに入れた方が良い
先ほど『冷蔵庫は5~7割くらいに入れる量を留めましょう』と言いました。しかし冷凍庫は逆でキチキチに食材を入れた方が電気代の節約につながります。
なぜなら庫内に入っている食材そのものがカチカチに冷えているためお互いが保冷材の役割をしてくれるからです。
冷凍庫は外の空気との温度差が大きく一度扉を開けると庫内の温度が急激に上がります。しかし食材がぎっしり詰まっていると外の空気が入り込む余地が少なくなるうえに庫内の食材どうしで冷やしあうため、スペースがある状態よりも冷却機能を使わなくて済みます。
もちろん乱雑に詰め込むと
と冷凍庫の中を探す羽目になるので冷凍庫の整理は冷蔵庫以上にしっかりしておく必要があります。冷凍庫を開けておく時間が長いと冷却時間が長くなり消費電力も増えてしまいますからね。
冷凍食材は献立を考えるのが面倒だったり買い物に行けない時の非常食材として役立ちます。日持ちもするので冷凍庫に入れられる食材は安い時にまとめ買いしておくと食費も冷蔵庫の電気代も節約できるのではないでしょうか。
熱いまま冷蔵庫に入れない
冷蔵庫の節電を心がけるなら料理などを保存する際はしっかり冷ましてから入れるようにしましょう。熱いまま冷蔵庫に入れてしまうと庫内の温度が一気に上がってしまうため、冷蔵庫が冷気を出す時間が長くなってしまいます。
『熱いものをそのまま冷蔵庫に入れると電気代が上がる』
というのはテレビでも紹介されています。料理番組でも作ったものを冷蔵庫で寝かす際には「粗熱を取ってから」と必ず説明しているくらいですからね。
例えばカレーやシチューなどといった料理はもちろん、お茶を冷やす際もできてすぐに冷蔵庫にいれるのは厳禁。しばらく常温で冷ましておいてから入れるだけで冷蔵庫の消費電力は大きく変わるので
を心がけてください。
“急速冷凍機能”は使わない
冷蔵庫によっては“急速冷凍機能”が搭載されているものがあります。急速冷凍機能とは食材を一気に冷凍することによって食材を新鮮な状態で冷凍保存できる機能を指します。
例えば肉や魚など日持ちしない食材も急速冷凍すれば1週間くらい持ちます。しかし急速冷凍機能を使うと冷蔵庫が一気に食材を冷やすのに必要な冷気をつくるため膨大な電力を消費します。
急速冷凍を使うにあたって消費する電力はメーカーによって異なりますが急速冷凍機能を多用すると年間で電気代が10~20%上がると言われています。
“食材を新鮮ない状態で保存する”という観点から言うと便利な機能ではありますが“節電”の観点から見るとあまり多用していい機能ではありません。絶対に使ってはいけない機能というわけではないですがあまり使いすぎない方がいいでしょう。
急速冷凍したい時は“保冷剤”を活用
急速冷凍機能は食材を短時間で凍らせる機能ですが、実は保冷剤を活用すると短時間で食材を冷凍保存できます。やり方は以下の通りです。
- 食材を細かく切てラップで包む
- 切った食材をアルミトレーに乗せる
- アルミトレーのまま冷凍庫に入れる
- 食材の上に保冷剤を置く
例えば生肉の場合は重さ(g)によって分けたり魚であれば1切ずつ乗せると冷凍しやすくなります。急速冷凍機能ほど短時間ではありませんが余計な電力を消費せずに短時間で冷凍保存できるのでおすすめです。
冷蔵庫にカーテンはつけない

冷蔵庫の節電方法として『冷蔵庫にカーテンをつける』という方法を推奨しているサイトをいくつか見かけました。しかし実際に検証したところ冷蔵庫にカーテンをつけるとかえって消費電力が増える結果になった・・・という人もたくさんいます。
例えば『藤山哲人の実践家電ラボ』というサイトででも冷蔵庫にカーテンを付けたら消費電力が上がった・・・という内容を紹介しています。
では自作したカーテンを使って、消費電力の実験をしてみよう。冷蔵庫の強さは「弱」にして、カーテンのあるなしでどれだけ電気代が安くなるのか? その結果が次の表だ。
えっ!えええーっ! カーテンをつけると1日384kWhも電力を多く食うし、電気代も9円高い!
何かの間違いかと思い、もう一日かけでデータを取り直すも、まったく同じ実験結果となった。試しに月の電気代に換算すると、次のようになる。えっ!えええーっ! カーテンをつけると1日384kWhも電力を多く食うし、電気代も9円高い!
なんと冷蔵庫カーテンをつけると、月の電力使用量は1kWh増加し、電気代に換算すると264円増という計算。この意外な結果は、原因を調査する必要がありそうだ!
また冷蔵庫にカーテンをつけると消費電力が増える実験はテレビでも紹介されていました。昔は節電効果があると言われていましたが、今は冷蔵庫の性能自体も向上しているためかえって電気代を上げてしまうのでつけない方が良いでしょう。
カーテンに節電効果がない理由
冷蔵庫にカーテンをつける目的は庫内の空気と外の空気を遮断するためです。外の空気をカーテンによって遮れば庫内の温度上昇が鈍くなり冷蔵庫の消費電力も減りますからね。
しかし冷蔵庫にカーテンをつけることで
- 冷蔵庫を開けている時間が長くなる(カーテンが邪魔だから)
- ドアポケットに入れている食材は腐りやすい(冷気がカーテンに遮られているから)
という2つのデメリットがあります。また先ほど紹介した『藤山哲人の実践家電ラボ』ではカーテンをつけたことによって消費電力が上がった原因を“庫内温度センサーと冷気を送るタイミングを調整するコンピューターがカーテンをつけたことによって混乱している可能性がある”と指摘しています。
最近の冷蔵庫は高性能な機械を搭載しています。カーテンをつけるとかえって機械の動きを邪魔する可能性があるため冷蔵庫にカーテンはつけない方が良いでしょう。
冷蔵庫の周りにスペースを作る

家庭によっては冷蔵庫を壁にぴったりくっつけたところに置いたり、冷蔵庫の両隣にスペースなく家具を置いていたりもします。無駄なスペースをつぶして自宅を広く使いたい気持ちは分かりますが実は冷蔵庫の周りに隙間を作らないと消費電力が増えてしまいます。
経済産業省の資源エネルギー庁が発行している『家庭の省エネ徹底ガイド』でも冷蔵庫の設置方法として以下のように冷蔵庫周りに隙間を開けるのを推奨しています。
![]()
引用:家庭の省エネ徹底ガイド
実際に冷蔵庫を壁から適切な距離を開けて設置するだけで隙間がない状態と比べると年間で45.08kWh(金額にして約1,220円)の節電となります。もし自宅の冷蔵庫周りにスペースがないのであれば家具を移動させたりして隙間を作ってあげましょう。
隙間があると冷蔵庫の節電になるワケ
冷蔵庫は冷気を作るためのモーターが搭載されていますが稼働すると熱を発します。その熱を逃がすために隙間が必要なのです。
しかし隙間がないと冷蔵庫から出た熱が逃げ場を失って冷蔵庫にこもってしまうため、その熱を冷ますために余計に電力を消費すると言われています。冷蔵庫周辺に熱をこもらせないためにもあまり冷蔵庫周りに物を置いたりしないようにしましょう。
特に一人暮らしで冷蔵庫の上の電子レンジを乗せている人もいると思います。電子レンジを乗せるのはいいですが冷蔵庫用の収納ラックなどを買って、その上に乗せるようにしましょう。
電気料金を見直して節電

冷蔵庫だけでなく電気代そのものを節約する方法が“電気料金の見直し”です。
2016年より電気の小売業への参入が全面自由化されたのを受け、消費者が電力会社を自由に選べるようになりました。各販売者によって基本料金や従量料金などが違うため
という人は積極的に新しい電力会社を探しています。
電気代は大きく分けると
- 基本料金
- 従量料金
の2種類があります。
冷蔵庫の節電は“従量料金”の節約にあたりますが節電行動による節約にはどうしても限界があります。そこで契約しているプランそのものを見直すことで、今よりも電気代を安くできる可能性を模索するのもアリではないかと。
電気料金を見直すポイントとしては下記ページで紹介しています。行動による節電方法も大事ですが“契約の見直し”も電気代節約には大切な時代になったのでぜひ一度電気料金の見直しを検討してみてはいかがでしょう。
新しい冷蔵庫に買い替える

相対的に新しい冷蔵庫の方が古い冷蔵庫よりも省エネ機能が優れているため消費電力が少なく済みます。冷蔵庫は単価が高いので頻繁に買い替える必要はありませんが
と感じたら、新しい冷蔵庫に買い替えも検討しましょう。
冷蔵庫を買い替えるにあたっては次の点に注意しましょう。注意点をしっかり理解して買い替えれば高性能な冷蔵庫をより安く買えるかもしれません。
買ってから10年経っていたら買い替え
今使っている冷蔵庫を10年以上使っているのであれば買い替えた方がいいでしょう。基本的に家電の寿命は10年前後と言われており、10年くらい経つと故障する可能性が高くなるからです。
またメーカーが補償部品を保有している期間は生産終了から9年となっています。つまり生産がストップしても9年間は部品があるため修理に出せますがそれ以降は部品がないため修理にすら出せないのです。
さらに10年落ちの冷蔵庫と最新の冷蔵庫では性能が圧倒的に違います。家庭の省エネ委徹底ガイドでも10年前の冷蔵庫と最新の冷蔵庫の性能比較がされています。
![]()
引用:家庭の省エネ徹底ガイド
以上の点を考えると購入してから10年近く経っている冷蔵庫を使っている場合は買い替えを前向きに検討した方が良いでしょう。冷蔵庫を購入するお金はかかりますが電気代は大きく節約できる可能性があるため、長い目で見ると家計の節約につながるはずですから。
冷蔵庫の買い替えのサイン
長い間同じ冷蔵庫を使っているとところどころ不具合が出てきます。例えば次のよう症状が確認できた場合、冷蔵庫の寿命が近づいているので買い替えた方が良いでしょう。
- 変な音がする
- 庫内があまり冷えていない
- 冷え方にムラがある
- 氷が上手く作れない
- 水漏れが多発
ちなみに『庫内が冷えてない』原因としてはドアのパッキンが劣化している可能性も考えられます。
庫内が冷えていない時はまずドアパッキンを替えてからしばらく様子を見てみましょう。それでも庫内にある食材がきちんと保存されていないのであれば新しい冷蔵庫に買い替えるしかありません。
安く冷蔵庫を買うなら「2月」か「7~8月」
冷蔵庫を買い替えるならできるだけ安くなる時期に購入した方がいいですよね?家電は季節によって“安くなる時期”と“安くならない時期”があります。
冷蔵庫の場合、2月は引越し準備などで家電量販店がセールをする傾向があります。特に大型家電(冷蔵庫や洗濯機など)は特定の商品だけ大きく値引きして販売されている事が多いのでそのタイミングを狙って買うとお得に購入できるでしょう。
また冷蔵庫は毎年9月~10月にかけて新機種が販売されます。そのため7~8月の間に店舗も在庫を一斉に処分したいため安く買うことができます。
という人はあえて9月くらいに買いに行くのがいいでしょう。ただし最新機種を買う場合、値引きには応じてくれない可能性が高いのでそのつもりで買いに行くといいでしょう。
買い替えた冷蔵庫はきちんと処分
新しい冷蔵庫に買い替えると古い冷蔵庫は処分しなければいけません。基本的には購入した電気屋さんに引き取ってもらうのが一番楽なので新しい冷蔵庫を買う際に古い冷蔵庫の処分についてもお願いしましょう。
この時、古い冷蔵庫を処分にするにあたってリサイクル料が発生します。
リサイクル料とは家電リサイクル法によって定められた4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)を処分する際に支払わないといけない支出を指します。冷蔵庫であれば
- 冷蔵庫(170L以下) 3,672円
- 冷蔵庫(171L以上) 4,644円
が処分にかかるお金になります。万が一不法投棄バレると5年以内の懲役もしくは1000万円以下の罰金に科せられますので不法投棄は絶対にやめましょう。
5年以内の冷蔵庫ならリサイクルショップに
今使っている冷蔵庫が買ってから5年以内であればリサイクルショップが買い取ってくれる場合があります。例えば『買取ドットコム』ではホームページに5年以内の冷蔵庫であれば100%買い取ると書かれています。
さすがに10年以上経っている冷蔵庫はどこも買い取ってくれないでしょうが、購入してから5年くらいしか経っていない冷蔵庫を買い替えるのであれば
というのも手だと思います。リサイクル料を払う必要がないばかりかお金がもらえる(ただし少額)ので5年以内の冷蔵庫を買い替える場合は検討してみてください。
冷蔵庫を買う前の準備も忘れずに
冷蔵庫を買い替えるにあたってまずは新しい冷蔵庫を決める必要があります。新しい冷蔵庫は家電量販店に行って店員さんと相談しながら決めればいいと思いますが、新しい冷蔵庫が届く前にやっておくべきことがあります。
クーラーボックスの用意
新しい冷蔵庫が来る前に冷蔵庫の中身を全て空にしておく必要があります。とはいえ食材全部を使い切るのは難しいです。
そこであらかじめクーラーボックスを用意しておき使い切れない食材はクーラーボックスに入れておきましょう。
特にバターなど冷蔵庫で保存が必要な調味料などは1日や2日では絶対に使いきれません。捨てるのももったいないですし常温で保存ができないものを入れておく対策としてクーラーボックスは用意しておいて損はないと思います。
古い冷蔵庫の水抜き
古い冷蔵庫に氷を作るための水を貯めている場合はもう使わないので抜いておきましょう。もちろん氷も使わないので捨ててください。
さらに大事なのは冷蔵庫内にある水分の除去です。
方法としては新しい冷蔵庫が来る前日の夜に冷蔵庫のコンセントを抜いておきます。すると庫内の温度が上がり、露などが全て冷蔵庫の下にある受け皿に流れていますので翌日受け皿にたまった水を捨てればOK。
あと自動霜取り機能がついていない冷蔵庫は庫内の霜を溶かすために新しい冷蔵庫が来る2~3日前にコンセントを抜いておく必要があります。その後霜が来ないから出ないようにきちんと拭いておきましょう。
掃除道具の準備
冷蔵庫を置き換える前に新しい冷蔵庫を置く場所をきれいに掃除する必要があります。冷蔵庫が置いてあった箇所は長年掃除が行き届いていないためかなり汚くなっているので雑巾や除菌スプレーなどを用意しておきましょう。
家庭にあった冷蔵庫の選び方
新しい冷蔵庫を買う時、自宅にあった冷蔵庫を買う必要があります。冷蔵庫は大きさによって容量が変わってくるため住んでいる家族の人数によって適切な容量の冷蔵庫を買いましょう。
ヤマダ電機のホームページ『ヤマダウェブコム』によると世帯人数による適切な冷蔵庫の容量は以下の方法で計算できます。
70L×世帯人数+100L+70L
引用:ヤマダウェブコム
例えば
- 1人暮らしであれば240L(自炊しないのであれば200LでもOK)
- 2人暮らしであれば310L
- 3人暮らしであれば380L
が冷蔵庫を選ぶ容量の目安となります。上記数字を目安に自炊の回数やお子さんの成長度合いによって自分の家庭に合った容量を選ぶといいでしょう。
また、冷蔵庫のサイズも冷蔵庫を置く予定のスペースにある程度隙間ができるサイズを選ぶこと。壁や家具などにピッタリ冷蔵庫を設置すると冷蔵庫に熱がこもってしまい電気代が高くなってしまいますからね。
さらに冷蔵庫にこだわりを持つのであれば『メーカー』で選ぶのもアリです。
冷蔵庫は各家電メーカーがそれぞれ販売していますが特徴や搭載されている機能に違いがあります。もちろん冷蔵庫の消費電力もメーカーによって異なります。
メーカー名 | 年間消費電力 | 規格内容積 | 1Lあたりの消費電力 |
東芝 | 330kWh/年 | 410L | 約0.80 kWh/年 |
パナソニック | 289kWh/年 | 410L | 約0.70 kWh/年 |
シャープ | 298kWh/年 | 415L | 約0.71 kWh/年 |
三菱 | 255kWh/年 | 451L | 約0.56 kWh/年 |
日立 | 273kWh/年 | 401L | 約0.68 kWh/年 |
※年間消費電力を比べやすいように企画内容量を410Lを基準として各メーカーで最も近いタイプの冷蔵庫で比較しています。
“電気代節約”を徹底するために冷蔵庫を買い替えるのであれば“消費電力”でメーカーを選ぶのもアリだと思います。とはいえ使い勝手や冷蔵庫に求めるものは各家庭によって違いますから“性能”で選んでも間違いではありません。
各メーカーの特徴は以下の通りです。
東芝の冷蔵庫の特徴
東芝の冷蔵庫の特徴は“野菜室”です。
まず東芝の冷蔵庫は野菜室が真ん中にあるためチルド室と野菜室の見比べが容易にできます。そのため献立を考えたり買わないといけない食材を探しやすい特徴があります。
また東芝の冷蔵庫の野菜室は乾燥しずらいため野菜を新鮮に保存できます。
パナソニックの冷蔵庫の特徴
パナソニックの特長は冷蔵庫のデザイン性です。カラーバリエーションも豊富でボディにも光沢があるためキッチンのインテリアにこだわる人におすすめです。
もちろん冷蔵庫の基本性能である冷蔵や冷凍も充実。食品が完全に凍らないギリギリの湿度に保つ『微冷凍パーシャル』や冷凍室や野菜室が100%引き出せる『ワンダフルオープン』機能があるので使い勝手も問題ありません。
シャープの冷蔵庫の特徴
シャープの特長は“冷凍庫”です。特に氷を保管するアイスルームや冷凍食品をまとめ買いしてもたっぷり収納できるメガフリーザーが注目されています。
またシャープ独自の『プラズマクラスター』が搭載されているため、庫内の雑菌繁殖を防ぎ空気をきれいに保てるのもシャープの冷蔵庫の大きな特徴です。
三菱の冷蔵庫の特徴
三菱の冷蔵庫は“家事をラクにする”がコンセプトとなっています。例えば解凍しなくても冷凍させた食材をすぐに切れる「切れちゃう瞬冷凍」などが搭載されています。
また三菱のスマホと連動させることで庫内の食材の経過日数を管理できたりもします。さらにスマホと連動させておくと冷蔵庫のドアの閉め忘れを通知してくれたりドアの開閉回数を確認できたりもするため、より電気代を抑えた使い方を徹底できるでしょう。
日立の冷蔵庫の特徴
肉や魚などの生ものの鮮度を重要視するのであれば日立の冷蔵庫がオススメかもしれません。日立の冷蔵庫は『真空チルド』や『新鮮スリープ野菜室』など食材の鮮度を保ち長持ちさせる機能が搭載されているからです。
特にまとめ買いや作った料理を保存したりする家庭には重宝する機能ではないでしょうか。
冷蔵庫をネットで買うのはアリ?
近年店舗に足を運ばずインターネットで何でも購入できる時代です。冷蔵庫やエアコンといった大型家電もインターネットで購入できます。
インターネットで購入した方が店舗で購入するよりも価格が安かったり早く配送してくれたりといったメリットがあります。しかし
- 長期保証サービスがつかない
- 修理対応依頼が複雑
- 設置料がかかる
などといったデメリットがあります。また店舗の場合は店員さんに相談しながら決められますがインターネットの場合は自分であれこれ調べて判断しないといけないのも大きな違いとして挙げられます。
と悩む人がいると思いますが、冷蔵庫ほど大きな買い物となると“失敗”は許されないので個人的には店舗に行って実物を見ながら買うのがおすすめです。
ただ
という人はインターネットで冷蔵庫を探しても良いと思います。例えばAmazonや楽天でも冷蔵庫は販売しているので家庭に合ったサイズと価格を比較して選んでみてください。
まとめ
いかがでしたか?
冷蔵庫は常に電力を消費しているため節電するのであれば普段の使い方を改善する必要があります。電気代節約につながる使い方が習慣になれば日々の電気代も抑えられるでしょう。
当ページで紹介した冷蔵庫の節電方法で具体的な金額がハッキリしているものだけを計算すると冷蔵庫にかかる電気代は年間で下記金額は節約できます。
- 設定温度を「中」or「弱」:1,670円
- 扉の開閉回数を半分にする:280円
- 扉を開けている時間を半分にする:160円
- 庫内に詰め込み過ぎない:1,180円
- 冷蔵庫周りにスペースを作る:1,220円
合計節約金額:4,510円
もちろん上記の金額はあくまでも目安ですから“絶対”とは言えません。しかし上記の節電方法を取り組めば冷蔵庫の電気代を年間で4,000円以上節約できる可能性がある事がわかっていただけるのではないでしょうか?
冷蔵庫は家にある家電の中でも電力の消費が大きい家電です。当ページで紹介した方法を元に冷蔵庫の節電につながる使い方を意識して上手に電気代を節約してください。