電気代を節約できるアイテムとして利用している人が多いのは節電タップです。
節電タップとは電源タップのプラグにスイッチが搭載されているタイプを指します。スイッチを切るとプラグが挿してあっても電力の供給を止められるため、コンセントを抜かずして待機電力の消費電力を抑えられる仕組みになっています。
とはいえ
と思う人も少なくないはず。そこで当ページでは節電タップを利用した際の節電効果と利用にするにあたっての注意点、さらには節電タップのメリット・デメリットを徹底調査してみました。
目次
節電タップを使った時の節電効果

先ほども説明しましたが節電タップとは電源のオン・オフが搭載されている電源タップで、スイッチを切るだけで電力の供給を止められます。そのため電化製品を使わない時はコンセントを抜かずに節電タップのスイッチを切るだけで待機電力の消費が抑えられます。
では実際の節電タップを使ってどのくらい待機電力を抑えられるのか?
仮に下記電化製品をすべて節電タップにつなぎ、就寝時間(1日8時間)はスイッチをオフした場合、1ヶ月でどのくらい待機電力をカットできたかを計算してみました。なお電気料金は東京電力関東エリアのスタンダードSプランの従量料金(1kWhあたり26.46円)で計算しています。
- パソコン(1.22W)
- パソコンモニター(0.96W)
- 空気清浄機(0.99W)
- テレビゲーム機(1.43W)
- プリンタ(1.48W)
- DVDプレーヤー(レコーダーは除く)(1.77W)
合計:7.85W
- 1日にカットできる消費電力=
7.85W×8時間=62.8Wh - 1ヶ月間でカットできる消費電力=
62.8Wh×30日=1,844Wh(1.844kWh) - 1ヶ月間でカットできた電気代=
1.844kWh×26.46円=48.79円
※各家電製品の待機電力は『平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要』から引用しています。
※1ヶ月の電気代の少数第3位以下は切り捨て
つまり寝る前に節電タップのスイッチをオフにするだけで1ヶ月48円の電気代の節約が可能となります。これを1年間継続すれば585円の節電になります。
もちろん家庭によっては節電タップを利用する電化製品を増やせば更なる節電も期待できます。やることは寝る前に節電タップのスイッチをオフにするだけですから、手間もかかりませんよね?
待機電力は年間の消費電力の約5%を占めると言われています。
待機電力をカットする方法は色々ありますが節電タップを活用することでより簡単に待機電力が減らせるので
という人にはオススメのアイテムだと思います。
節電タップのメリット

先ほど節電タップによって年間どのくらいの電気代を節約できるか?を例を挙げて紹介しました。もちろん節電タップを利用する電化製品を増やせばさらに待機電力カットが期待できます。
そんな待機電力カットに効果的な節電タップですが具体的にどんなメリットがあるのか?
大きく分けると節電タップのメリットは以下の3つと考えられます。
待機電力を気軽にカットできる
待機電力をカットするには色々な方法があります。中でも節電タップの使用は待機電力を減らす具体策の中ではかなり簡単な方法と言えるでしょう。
なんせ“スイッチを切る”だけでいいわけですから、スイッチの切り忘れさえなければ簡単に家電への電力供給をストップさせられます。
待機電力をカットするには電力供給をこまめに切る必要があります。電化製品によっては割と面倒なものもあったりしますが節電タップを使えば一瞬で電源をオフにできるため待機電力を効率よく削減できるようになります。
コンセントの抜き差し不要
コンセントを抜いてしまえば電力が家電に供給されないため待機電力は消費されません。しかしコンセントを抜いたり挿したりするのは手間がかかります。
しかし節電タップにコンセントを挿しておけば電源タップのスイッチからオン・オフができるためわざわざコンセントを抜く必要がありません。
コンセントの抜き差しを頻繁に行うとプラグ部分の摩耗が激しくなります。すると漏電や感電のリスクが高まり火災につながる可能性もあります。
節電タップを使うとプラグの摩耗も減らせるため火災などのトラブル予防にもつながります。特にパソコン関連機器は消費電力も大きいので節電タップを使って待機電力をカットした方が安全と言えるでしょう。
複数の電化製品の節電ができる
待機電力をカットする最も確実な方法は「コンセントを抜く」です。しかし待機電力をなくしたい家電が自宅のあちこちにあると全部のコンセントを抜く必要があるため意外と時間がかかってしまいます。
しかし1つの節電タップにつないでおけば待機電力をカットしたい家電のコンセントスイッチだけオフにすればいいのでほとんど時間はかかりません。もちろん使う時もスイッチをオンにすればいいだけですから簡単です。
節電タップは規格によっては複数のコンセント差込口があります。(2~8個くらい)待機電力をカットしたい電化製品だけ同じ節電タップにまとめてしまえば手間をかけずに待機電力を減らせるでしょう。
節電タップのデメリット

先ほど節電タップを使うメリットとして
- 待機電力を気軽にカットできる
- コンセントの抜き差し不要
- 複数の家電をまとめて節電
の3つを紹介しました。上記3つのメリットを見ても節電するうえで節電タップは非常に有効なアイテムだと思います。
しかし節電タップにはデメリットもいます。特に次の2点のデメリットは節電タップを使う上で理解しておく必要があると思います。
節電タップ自体も電力を消費する
節電タップのスイッチ部分はオンとオフがハッキリわかるようライトが搭載されている物が多いです。電源がオンになるとスイッチ部分のライトが点灯するのですが当然ライトを点灯させるのにも電力を消費します。
節電タップが消費する電力はスイッチ1つにつき0.1Wと言われています。仮に1年間スイッチをつけっぱなしにすると年間で23円、6つ付のコンセントすべてのスイッチをオンのまま1年間利用すると約136円電気代がかかる計算になります。
そのため常に電源を切らないような家電(電話機など)を節電タップにつないでしまうと余計に電気代がかかってしまいます。節電タップはあくまでも“待機電力をカットしたい家電”のみに使い、待機電力が必要な家電は節電タップにつながないようにしましょう。
電源をオフにしないと効果がない
節電タップにつなげば待機電力がカットされ余計な電気代は発生しなくなります。しかしあくまでも“スイッチを切る”のを忘れなければ・・・の話。
節電タップにつないでも電源をオフにしないと待機電力はカットされません。むしろオンの状態が続くと節電タップが消費する電力も上乗せされるため余計に電気代がかかってしまいます。
節電タップを使うのであればきちんと使わない時は電源をオフにして電力の供給をストップさせましょう。それができないようであれば節電タップではない普通の電源タップを使った方が余計な電気代がかからない分お得と言えます。
節電タップを利用するうえでの注意点

これまでお話ししたように節電タップにはメリットもデメリットもあります。とはいえ、きちんと大金電力カットを心がければ節電タップを使うデメリットはほとんどなくなるため
と思う人は積極的に節電タップを使うのをお勧めします。
ただし節電タップを使う際には“使い方”には注意してください。
節電タップを使えば必ず待機電力がカットされて節電につながるわけではありません。正しい使い方を心がけないと電気代は節約できないので節電タップを使う際には下記の3点を守るようにしましょう。
タコ足配線にならないように
タコ足配線とは1つのコンセントに電源タップを駆使してたくさんのコンセントを挿して家電を使う事を指します。電源タップにさらに電源タップを挿して1つのコンセントから使える家電を増やしている家庭もありますがタコ足配線はとても危険なので絶対にやめましょう。
日本の各家庭の壁に設置させているコンセントは100ボルト用コンセントで定格は15アンペアとなっています。つまり壁にある2個口コンセントからは最大1500W(100ボルト×15アンペア)まで利用できる計算になります。
つまりタコ足配線によって1つのコンセントから消費される電力が1500Wを超えてしまう危険性が出てきます。1500Wを超えると電源タップから発火する可能性があります。
節電タップは各家電ごとに電力供給を止められますが、1つの節電タップに無理やりまとめようとすると電力オーバーになる可能性が高まります。タコ足配線にならないよう
はある程度計画的に考えてつなげるようにしましょう。
節電タップが使えない電化製品もある
節電タップは電化製品の待機電力をなくすための節電アイテムですがすべての家電に利用できるわけではありません。特に次の3点は節電タップにつないでも待機電力の削減につながらない可能性が高いと思います。
エアコン
エアコンは使うシーズンと使わないシーズンがハッキリしています。そのため
と考えている人が多いですが、別に節電タップを使わなくてもブレーカーからエアコンへの電力供給をストップできるためわざわざ節電タップにつなぐ必要はありません。
また夏や冬などエアコンをよく使うシーズンでも節電タップでオン・オフを繰り返すとコンプレッサーの負担が大きくなり故障につながる可能性もあります。つまり他の家電とエアコンとでは待機電力のカットの仕方が違うのです。
一般家庭のブレーカーはエアコンだけ電源が落とせるようになっていると思います。もしなっていないのであれば節電タップを使ってもいいですがブレーカーからエアコンだけ止められるのであれば節電タップを使う意味はあまりないと言えるでしょう。
テレビ
テレビの場合節電タップを使って電力供給を止めてしまうと初期設定がリセットさせる可能性があります。つまりテレビを見るたびに設定からやり直す必要があるため電力供給の停止はおすすめしません。
となるとテレビを節電タップにつないでも常にスイッチはオンのままになります。この時スイッチ部分がライトで光るタイプの節電タップだとスイッチのライトの消費電力が継続的にかかります。
節電タップのスイッチライトの消費電力は微量です。だとしても“ムダな消費電力”には変わりないのでテレビをつなぐコンセントは節電タップ以外の電源コードの方がいいでしょう。
通信機器(電話機、インターネット関連の機器)
テレビと同様に節電タップにつないでもスイッチをオフにできないのが通信機器関連の家電です。例えば電話機やインターネットのモデムなどは電源から止めてしまうとテレビと同様に設定からやり直さないといけないうえに電源が止められているとインターネットも使えないし電話がかかってきてもつながりません。
待機電力は全て“ムダな電力”というわけではありません。通信機器や冷蔵庫のように24時間動かし続けないといけないタイプの家電もあります。
待機電力をカットして電気代を節約したいのであれば“不要な待機電力を使っている家電”に絞って取り組むのが大切。それらの家電を節電タップにつなぐと効率よく節電できますのでそういった家電を中心に節電タップにつないでいきましょう。
100均の節電タップは使う家電を選ぶ
いまや節電タップは100均でも販売されています。さすがに6個口や8個口といった大型の節電タップはありませんが2個口くらいの小さなタイプでよければ100均で済ませるのもアリでしょう。
ただし100均の節電タップには“使える家電”と“使えない家電”があります。
実際にフォトスタイリストの貝賀あゆみさんが100均で節電タップを買って失敗してしまった経験をブログで以下のように書いていました。
キッチン用に使えれば、と
ダイソーで節電タップを買ってきました。
4個口の方は200円商品、
1個口の方は100円商品です。
あまりよく見ずに買ってしまって
「あ!!」と気づいたことが。警告●定格電流が15A以下でも、急激に消費電力が
上昇する商品には使用しないでください。
(ヒーター、エアコン、コタツ、電気カーペット、
レンジ、食洗機、ホットプレート、ドライヤー、
ポット、電磁調理器など、その他多数あります。)使いたかったキッチンでは、
ほとんど使えないってことね(笑い泣き)
100均で売られている節電タップは家電量販店で販売されているものより安価ですがどんな家電にも対応しているわけではありません。個人的に“安さ”につられて100均で買うよりも安全性を重視して家電量販店で売られている節電タップを買った方がいいでしょう。
またネット通販であれば家電量販店で売られている規格でもさらに安く購入できます。楽天でも『節電タップ』と検索するとたくさん出てきますので、価格や口コミを比較して選ぶと失敗も少ないと思います。
おすすめ節電タップのタイプ

節電タップは使い方と使う家電さえ間違えなければ待機電力を効率よくカットできます。待機電力がカットできれば消費電力も抑えられるため電気代節約にもつながります。
とはいえ節電タップと言っても色々なタイプがあります。
一般的には口が複数(最大8個口まで)あり各コンセントにスイッチがついています。電源がオンになっている時はスイッチが点灯し、オフになっているとスイッチも消えているタイプは見たことがあるでしょう。
しかし節電タップにはそれ以外のタイプもあります。
例えば最近は以下のような節電タップも販売されています。タイプによって価格は異なりますが人によってはこちらを購入して使った方がより待機電力を効率よくカットできると思うのでおすすめします。
スイッチが光らないタイプ
一般的な節電タップはスイッチ部分のオン・オフが一目でわかるようライトが搭載されています。当然ライトが点灯している時は微量ではありますが電力を消費しています。
という人はスイッチ部分が光らないタイプの節電タップがおすすめです。スイッチ部分が光らないから節電タップそのものが消費する電力は一切かかりません。
特にこまめに電源を切る家電とそのままオンにしたままの家電を1つのタップにつなぎたい人はこのタイプがおすすめです。スイッチがオンの状態かオフの状態か分かりづらいデメリットはありますが余計な消費電力がかからない省エネタイプの節電タップです。
一括スイッチを搭載しているタイプ
個別スイッチの他に全てのコンセントを一括でオン・オフにできるスイッチが搭載されているタイプの節電スイッチです。
・・・という人におすすめ。
一括スイッチをオフにすると個別スイッチがオンであっても電力がストップするため電源をオフにできない家電が1つでも挿してあると使えないデメリットはあります。逆に寝ている時に待機電力カットのために電源供給をストップさせたい家電だけをまとめると簡単に節電ができるようになります。
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使用電力を表示するタイプ
節電タップの中には消費電力を表示してくれるタイプがあります。節電タップから使用している電力を表示してくれるため節電意識が高まります。
特にこれから節電を始めようという人におすすめ。価格は他の節電タップに比べて高めですがスイッチがついている箇所とついていない箇所があるため、待機電力をカットしない(できない)家電とも併用して利用できます。
雷ガード機能がついているタイプ
電源タップを使うと電源からノイズや雷サージが侵入します。ノイズが入ると誤作動を起こしたり機器の正常な動作を妨げる危険性があります。
節電タップにつなぐとタップから同じノイズが繋いでいる家電にも流れます。それを防ぐために“雷ガード機能”を搭載したタイプの節電タップもあります。
雷ガード機能はノイズだけでなく雷サージ(落雷で瞬間的に高電圧が発生し家電に課題電力が流れる現象)も防いでくれます。雷サージは家電の故障につながるので雷が多い地域にお住いの人や節電タップの安全面を重視する人は雷ガード機能がついている節電タップを選びましょう。
プラグシャッターがあるタイプ
先ほども言いましたがコンセントを挿していないプラグにホコリが溜まると発火する恐れがあります。コンセントが挿してあればホコリは溜まりませんが挿してない箇所はホコリが溜まってしまいます。
そんな発火を防ぐために節電タップの中にはプラグシャッターがあるタイプもあります。
コンセントを挿していない箇所のところには差込部分にフタがかかるようになっており、タップ内にホコリが溜まらないようになっています。また感電防止にも効果があるので小さいお子さんがいる家庭はプラグシャッターがあるタイプを購入した方が安心ではないでしょうか。
まとめ
節電タップは電気代を節約するにあたってとても優秀な節電アイテムだと思います。しかし節電タップを使う“だけ”では節電効果は実感できないでしょう。
電気代を節約するにはとにかく“ムダな電力消費を抑える”のが重要。なかでも待機電力は無意識のうちに消費している電力なので節電タップを使って上手に削減してください。