節約について色々調べていると
・・・みたいな内容のサイトをよく見かけます。確かに格安SIMに乗り換えた方がスマホ代の基本料金は大幅に抑えられると思います。
しかし基本的に“石橋を叩いて渡る”性格の僕としては
という不安がどうしてもぬぐい切れません。
もちろん“スマホ代節約”のために格安SIMは検討するに値する方法だと思いますが、乗り換えたことで不具合が起きたりスマホが使えなくなったりするのはとても嫌なのです。
そこで格安SIMに乗り換える際の注意点について徹底的に調べてみました。格安SIMに乗り換えるのであれば次の点に気を付けた方が良いみたいです。
目次
乗り換え前の端末のバックアップ

機種変更やキャリアの乗り換えなどで端末が変わる場合、当然バックアップが必要ですよね?格安SIMも同じで端末が新しくなるのであれば今まで使っていた端末からデータのバックアップを取っておく必要があります。
しかもバックアップは自分でやらないといけません。
例えば同キャリアで機種変更をする場合、ショップに行ってお願いすればバックアップの仕方を教えてくれたり店員さんが代行してくれたりします。しかし格安SIMは基本的にインターネットから申し込み、その後の流れや手続きも全てオンライン上で行うため自分でバックアップを取る必要があります。
バックアップの仕方については各端末(ⅰPhoneもしくはandroid)によって異なります。各端末のバックアップ方法は下記サイトを参照してください。
バックアップするデータについては端末に入っているもの全てでなくてもいいですが、少なくとも次の3つは必ずバックアップを取っておきましょう。
電話番号
例えば友人や仕事先の連絡先はもちろん実家の固定電話やよく利用するお店など端末に電話番号が登録してあるのならきちんとバックアップを取っておきましょう。でないといざ連絡を取ろうと思っても取れなくなってしまいますからね。
またメールアドレスも登録している人は合わせてバックアップを取っておくように。最近はLINEをメインに使っている人が多いですが電話番号もないともしもの時に連絡が取れなくなるのでバックアップを取っておくのをお勧めします。
各データ(写真など)
例えばスマホで撮影したデータやダウンロードした音楽や動画など端末には色々なデータが入っていると思います。当然端末が新しくなるとデータを移動させない限り新しい端末では視聴できません。
そのため、今まで使っていたスマホに入っているデータもバックアップで別のところ(パソコンやクラウドなど)にコピーしておく作業が必要になります。
ただし中には
と、スマホに入っているデータに重要性を感じないのであればバックアップを取る必要はありません。ちなみに僕がこのタイプで機種変更をするたびにデータを捨てています。
またゲームアプリのデータはそれぞれアプリからデータのバックアップが必要になりますので、画像や動画のバックアップ方法とはやり方が異なります。
LINEアカウント
人によっては最もバックアップの重要性が高いのがLINEだと思います。今やLINEでやり取りをしている人が多いため、LINEのバックアップや引継ぎ準備はきちんとやっておきましょう。
LINEの引継ぎに失敗するとアカウントを1から作らないといけません。つまり現在登録している人との連絡がLINEで一切とれなくなります。
事実、僕が今のスマホに機種変更した時にLINEの引継ぎを間違えてしまい、連絡先が全滅しました。一応いろんな方法を駆使してなんとか連絡先を取り戻しはしましたが半分以上の人は連絡が取れなくなりました。
僕と同じ目に遭わないためにも、格安SIMに乗り換える前にLINEの引継ぎ方法だけはきちんと理解しておきましょう。LINEの引継ぎ方法の手順は下記サイトを参照してください。
同じ端末を使う場合はバックアップの必要なし
現在利用しているスマホによっては格安SIMを差し替えるだけで利用できる人もいます。格安SIMを差し替えるだけですぐに利用できるため、バックアップの必要はありません。
乗り換え前にバックアップが必要なのはあくまでも“新しいスマホ”にする場合のみです。
スマホが使用できない期間が発生する

格安SIMに乗り換えるにあたって最も注意すべきは新しいSIMが届くまでの期間です。特に電話番号を変えずに乗り換えるMNP(Mobile Number Portability)を利用する人は必ず知っておくべきです。
MNPを利用して番号を変えずに格安SIMに乗り換える場合、次の手順が必要になります。
- 現在利用しているキャリアに連絡してMNP予約番号を取得
- 格安SIMを申し込む際にMNP予約番号を伝える
- SIMが届いたら差し替えて利用する
問題は2.と3.に若干のタイムラグがある点。
MNP予約番号を取得すると同時にMNP転出手続きが行われます。MNP転出手続きが完了すると今まで使っていたSIMが使用不可となります。
つまり格安SIMで申し込んだ新しいSIMが届くまでスマホが利用できない期間が発生するのです。
大手通信キャリア間(例えばauからソフトバンクなど)でMNPを行う時は、各キャリアの店舗間を行き来すればいいため、利用できない期間があっても数十分くらいしかありません。
しかし格安SIMの申込はインターネットで、新しいSIMも郵送で送られてきます。ということは新しいSIMが届くまでの数日間はスマホが全く使えない・・・となります。
実際にネット上でも格安SIMの乗り換えに失敗してスマホが使えない期間を味わった人もいます。
毎月の料金が安くなるということで、格安SIMに乗り換えをしました。ネットから注文したのはいいものの、その後新しいSIMが到着しないのに、古いキャリアのネットも電話も使えなくなりました。
調べたら、次のSIMが到着するまで、古いSIMは使えなくなるということ。
我慢してWi-Fiで過ごしましたが、3日くらい電話もできず不便でした
という人なら大きな問題と考えないでしょうが
という人は、安易な気持ちで格安SIMに乗り換えるとエライ目に遭いかねないので気を付けてください。
すぐに使いたいなら「即日MNP」で
MNPを使って格安SIMに乗り換える場合、手続きの都合上どうしても電話が利用できない期間が発生します。Wi-Fiを利用すればインターネットは利用できますが外で気軽に使えないので不便さを感じる人が多いと思います。
そんな人は「即日MNP」可能な格安SIMに乗り換えましょう。
即日MNPとは、まずMNP予約番号を取得する前に新しいSIMだけ予約して先に届けてもらいます。そして新しいSIMが届いた後にMNPの手続きができるため、すぐに乗り換えた格安SIMが利用できる・・・という仕組み。
ただし、格安SIMを販売している会社すべてが「即日MNP」に対応しているわけではありません。
という人は即日MNPの対応が可能な会社で申し込むようにしましょう。
キャリアに合わせた格安SIMを選ぶ

格安SIMは現在利用しているスマホにSIMを差し替えるだけで利用できます。ただしどんなスマホでも格安SIMが利用できるわけではありません。
そもそも格安SIMとは各企業が大手通信キャリアの通信回線を借りてサービスを展開しています。そのため通信回線を借りている通信キャリア対応の格安SIMでないと同じスマホで利用できないのです。
例えばUQ-mobileはau回線を利用しているためdocomoやソフトバンクの端末は利用できません。また格安SIM業者によっては複数の通信キャリアの回線を借りているところもあります。(イオンモバイルなど)
という人は、現在利用しているキャリアに対応している格安SIMに申し込みましょう。
ちなにみキャリアが合っていればiPhoneでも格安SIMに乗り換えられます。(ただしiPhone5以降の端末でないと格安SIMは利用できません。)
SIMフリースマホなら自由に選べる
通信キャリアから販売されているスマホを使って格安SIMに乗り換える場合、その通信キャリアに対応している格安SIM業者を選択しないといけません。
一応スマホのSIMロックを解除すれば通信キャリアに関係なく利用できるようになります。しかしスマホによってはSIMロックが解除できなかったり
とい人も多いと思います。ですのでSIMロックを解除して格安SIMを利用するのは個人的にお勧めしません。頑張ってSIMロックを解除するくらいなら新しいスマホを買った方が手っ取り早いと思います。
もし格安SIMに乗り換えるのと同時に新しいスマホを買うのであれば『SIMロックフリー』のスマホをお勧めします。
SIMロックフリーとは、どの通信キャリアの回線でも利用可能な端末を指します。つまり通信回線によって格安SIM行者の選択肢が狭くならないため、最もスマホ代が安くなる格安SIMを利用できるようになります。
もちろん大手通信キャリアのSIMも差し替えれば利用できます。今後キャリアの選択肢が増えるので格安SIMへの乗り換えをきっかけにスマホを買い替えるならSIMロックフリーのスマホがいいでしょう。
乗り換えるタイミングは慎重に

基本的に格安SIMへの乗り換えはいつでも可能です。ただし乗り換えのタイミングによっては別途費用が発生する場合があります。
特に今の番号をそのまま利用するMNPで乗り換える際は注意が必要です。
MNPは契約月に乗り換えると違約金がかかりません。例えば2016年1月に2年縛りで契約した場合、2018年1月に乗り換えると違約金ゼロで乗り換えられます。
しかし2018年2月になると再び違約金が発生します。次に違約金ゼロで乗り換えられるタイミングは2年縛りであれば2020年1月まで待たなければいけません。
というのであれば違約金を“必要経費”と考えて支払ってしまうのもアリだと思います。特に違約金ゼロのタイミングが来年以降の人はさっさと乗り換えた方が結果的にスマホ代を節約できますからね。
というのは現在契約しているキャリアサポートに問い合わせれば教えてくれると思います。ショップに行くのであれば乗り換えを検討している旨を伝えて具体的に初期費用としていくらかかるか?まで聞いてから乗り換えのタイミング等を考えてみても良いと思います。
通信速度が遅くなる場合がある

格安SIMは大手通信キャリアから通信回線を借りてサービスを展開しています。そのため通信回線を持っているキャリア(docomoやauなど)に比べると通信速度が遅くなりやすい傾向があります。
インターネットには各格安SIMの通信速度を調べた結果などが挙がっています。例えば価格.comマガジンでは場所や時間帯で各格安SIMがどのくらいの通信速度なのか?を計測した結果をまとめています。
多分上記記事を見て違いがハッキリ分かる人はそんなにいないと思います。また通信速度は利用状況にも依存してくるため、明確な答えが出しにくい部分もあります。
ただ大手通信キャリアと比べると格安SIMの方が『つながりにくさを感じやすい』ということだけ理解してもらえばいいかと。
単純に
という人であれば、多少通信速度が遅くなっても使い方に大きな支障と感じないと思います。しかし
という人は“ネットの快適さ”で格安SIMの業者を決めるようにしましょう。
格安SIMのデメリットを理解する

これまで格安SIMに乗り換えるにあたっても注意点を挙げてきました。格安SIMはスマホ代を大きく節約できる反面、手順などを間違えるとスマホが使えない期間が発生したりするため注意して手続きを進める必要があります。
さらに格安SIMにはいくつかデメリットがあります。
もしかすると
というくらい小さなものですが、人によっては割と重要視しているかもしれません。特に次の4点は気にしている人も多いので乗り換える前の知識として覚えておいた方が良いと思います。
サポートが薄くなる
例えばdocomoのスマホを使って不具合が起こったらdocomoショップに行けば何かしらの対応をしてくれました。当然auでもソフトバンクでも同じ対応をしてくれるはず。
しかし格安SIMの場合、そもそも店舗を構えていない会社が多いため、不具合が起こってもすぐに相談ができません。電話もしくはメールなどで会社に問い合わせるところから始まるため、人によっては聞きづらさを感じると思います。
緊急に対応してもらいたいトラブルが発生しても時間がかかるケースもあると思います。また相談内容によってはサポートしてもらえない可能性があります。
格安SIM業者は大手通信キャリアに比べて経営規模が小さいため、どうしてもサポートが薄くなってしまいます。
という点を重要視している人は格安SIMの利用は控えた方が良いかもしれません。
キャリアメールが使用できない
例えばdocomoで契約すると『~~~@docomo.ne.jp』というメールアドレスが取得できます。しかし格安SIMではキャリアメールを発行しないため、メールアドレスを取得するのであればフリーメールアドレスを別で用意しないといけません。
もちろん格安SIMに乗り換えたら今まで利用していたキャリアメールも利用できなくなります。もしキャリアメールで連絡を取っている人がいたら事前にメールアドレスが変更する旨を伝えておきましょう。
・・・とはいっても、最近はLINEなどのSNSが充実しているためメールでやり取りしている人は少ないように感じます。
という人はあまり気にする必要のないデメリットではないでしょうか。
通話料が高くなる
基本料金を比較すると格安SIMを利用した方がスマホ代は大きく節約できます。
例えば電話もできる「音声プラン」であれば格安SIMなら月額2000円未満で抑えられます。そう考えると
・・・となるかもしれません。ただし格安スマホの通話料は大手通信キャリアに比べると割高に設定されているところがほとんどです。
つまり“電話”を主に利用する人が格安SIMに乗り換えると通話料が高くなってしまう可能性があります。
いくら基本料金が安くなっても通話料が高くなれば通話時間によっては乗り換える前よりもスマホ代が高くなってしまうかもしれません。電話をよく使う人は格安SIMへの乗り換えは控えた方が良いのでは?・・・というのが個人的な意見です。
もし電話をよく使うのであれば乗り換えるべきは格安SIMではなく「ガラケー」です。
僕の場合、仕事でよく電話をするのですが電話専用のガラケーをスマホとは別に契約しています。2台持ちですが合算しても月に1万円もいきません。(詳細については下記ページで詳しくお話ししています。)
主にスマホでインターネットを利用するのであれば格安SIMはアリだと思います。しかし
というのであれば、もしかすると格安SIMに乗り換えてもお得感は感じないかもしれませんね。
自ら初期設定する必要がある
格安SIMで意外と盲点なデメリットが“初期設定”です。
大手キャリアの場合だと機種変更や乗り換えの手続きや設定は店舗で店員さんがやってくれたりその場で教えてくれます。ですから正しく初期設定が完了するためすぐに使えます。
一方で格安SIMは申し込んだらSIMだけ送られてくるだけ。
SIMを差し替えはもちろん、新しいスマホの場合は使えるようにするための初期設定も自分で行う必要があります。
と思っても、残念ながら店舗がないので相談できる窓口もありません。一応ネットで相談はできますし初期設定のマニュアルサイトもありますが、設定をするのは自分です。
と自負している人は格安SIMへの乗り換えのハードルが高く感じるかもしれません。
格安SIMに乗り換えなくても節約できる

スマホ代を節約するだけでしたら格安SIMへの乗り換えは有効な手段だと思います。スマホの使い方にもよりますが利用方法さえ間違えなければスマホ代を大きく削れますしね。
ただ
という質問に答えるのであれば『どちらでもいいんじゃない?』と言うと思います。
先ほども言いましたが格安SIMは大手通信キャリアに比べると基本料金がかなり安いです。しかしそれ以外の料金(通話料など)が割高だったり、パケット利用上限が少なかったりなどデメリットもあります。
そもそも家計における“通信費”が節約できれば手段は何でもいいと思っています。
大手キャリアでも契約プランを見直すだけでも十分節約できますし、スマホ代以外の通信費も使い方や利用頻度を考えて見直しても通信費は十分削れます。
通信費を節約するポイントについては下記ページで紹介しています。
格安SIMへの乗り換えも節約手段の1つにすぎません。選択肢の1つとしてはアリだけど
「絶対に乗り換えないともったいない!」
というものではないかな~と。結果的にスマホ代が安くなればいいですからね。
まとめ
格安SIMの乗り換えはスマホ代の節約法として多くの人が推奨しています。ただし乗り換える際の手続きや手順を間違えると私生活に支障がでる危険性がありますので乗り換える際は慎重に行いましょう。
また格安SIMに乗り換えれば“絶対に”節約できるわけではありません。
使い方や利用頻度によっては逆にスマホ代が高くなる人もゼロではないと思います。格安SIMへの乗り換えを検討しているのであれば“自分のスマホの使い方”を冷静に振り返ってから決断するように。