家計簿をつけるにあたって項目の選定は大切です。項目とは「食費」とか「家賃」などお金を使い道のことで、金額と一緒に記入することでいつ・何に・いくらお金を使ったかのか?を振り返れます。
ただ、家計簿につける項目は人によって変わります。お金の使い方を事細かくつけている人もいればかなりざっくりとした内訳でつけている人もいるでしょう。
家計簿のつけ方や項目はその人の自由です。ただ、家計の収支を見直すうえで“必要な項目”と“不要な項目”があります。
そこでここでは、家計簿をより簡単かつ正確につけるためのコツの1つとして「つけた方がいい項目」を紹介します。
目次
家計簿につけるべき3つの支出項目

家計簿につける項目で特に考える必要があるのが“支出”です。
家計簿には支出(お金を使ったもの)と収入(お金が入ってくるもの)の2つを必ず記入します。しかし収入については多くの人が「給料」のみかあっても「雑所得」くらいのため、そこまで収入の項目は多くありません。
それに対して支出はいろいろな項目があります。「60歳までに貯蓄3000万円」というサイトでは収入と支出の各項目は以下のものがあると紹介されています。
上記の表を見てもらえばわかる通り、収入の項目は3つに対して支出の項目は15もあります。さらにここから細かく分けることもできる。
ですが、実際に支出の項目は大きく分けると3つにしか分類されません。
どこまで細かくしても最終的には3つの項目のいずれかに該当します。言い換えれば各支出が3つの項目のうちどこに該当しているか?をはっきりさせれば家計の収支が正確に把握できる・・・というわけ。
その3つの支出項目というのは
・消費
・浪費
・投資
です。
消費とは?
消費とは主に生活に必要な支出を指します。具体的には食費、光熱費、家賃、交通費などが消費に該当します。
また保険料や通信費(スマホ利用料など)なども消費に含まれます。日用品の購入費はもちろん医療費や被服費も消費と考えている人もいるでしょう。
浪費とは?
浪費とは生活に対する必要性が低い支出を指します。例えば趣味に使うお金や遊びに行った際に使ったお金は基本的に浪費です。
浪費に該当する項目は無駄遣いや衝動買いしやすい傾向があります。そのため、浪費の割合が多い人はまずは浪費の節約からはじめてみるのがいいでしょう。
ただし、浪費をゼロにするとストレスが溜まったりして生活に悪影響を及ぼす可能性があります。あまり多すぎるのもよくありませんが浪費に使うお金をゼロにするのもダメなので、ある程度浪費に使えるお金は予算として取っておくように。
投資とは?
投資とは株取引やFXなどをするための資産・・・ではなく、自分の成長や収入アップにつながるための支出を指します。例えば書籍の購入や新聞の購読も投資に含まれます。
それ以外にもセミナーの参加費、資格の学校に通う際の学費なども投資です。人によって投資に回す額は違いますがゼロだとこの先収入アップが見込めないので「自分のための支出」も用意しておくことをお勧めします。
「空費」という支出もある
これまでは消費・浪費・投資の3つが主流でしたが、最近「空費」と呼ばれる支出を作って管理している人も出てきました。空費とは自分を見つめなおすための支出を指し、感覚的に浪費と投資の中間的なものと・・・と言えばいいでしょうか?
例えば旅行に行く、趣味を楽しむための支出が空費に該当します。空費の詳細は下記サイトで紹介しています。
家計簿でつける必要がある主な項目

先ほど紹介したように、支出は「消費」「浪費」「投資」の3つに必ず分類されます。もっと言えばこの3つの項目でつければとりあえず家計簿としての機能は果たすわけですが、さすが上記3つで家計簿をつけると大雑把すぎるのでもう少し細分化したほうがいいでしょう。
家計簿の項目で優先的につけるべきは「消費」に該当する項目です。
浪費や投資と比べて消費は支出の割合が多いです。理想の支出バランスは
消費:浪費:投資=7:1:2
と言われています。つまり支出の割合が多い消費に該当する項目を中心につけていくのが家計の収支バランスを把握しやすい・・・ということ。
もちろん浪費や投資に該当するものも支出としてあるわけですからそれらに該当する項目を必要です。以上の点を考えると少なくとも以下の項目は家計簿につけておくといいと言えます。
固定費
家賃や保険料などが該当します。固定費かどうか?の線引きは「銀行引き落としで支払える支出」かどうかで決めれば問題ないかと。
家賃と保険料については「家賃」「保険料」で分けてもいいですが、それ以外は合算で計算しても大丈夫です。例えばスマホ代+インターネット利用料で『通信費』とし家計簿につける・・・とかでも問題ありません。
食費
スーパーで買った食材を1つずつ家計簿につけていたらキリがないので、食材はすべて「食材」として記入すればいいと思います。普段から外食で済ましている人は外食を「食費」ですが自炊している人は外食費を「娯楽費」に入れましょう。
雑費(日用品代)
食材以外で生活に必要なもの(洗剤やシャンプーなど)は雑費としてつけましょう。「日用品代」としてつけても問題ありません。
ただし、女性の化粧品については「化粧品代」と別にしてつけた方がいいと思います。
交通費
通勤や通学にかかる交通費を指します。また車を使う場合はガソリン代が交通費に該当します。
駐車場や駐輪場利用料についても「交通費」で計上すればいいでしょう。もちろんタクシーを使った場合でも「交通費」です。
特別出費
主に突発的に使うことになった費用が該当します。例えば冠婚葬祭に関する費用(ご祝儀や香典など)が特別出費にあたります。
また病院の診察料も特別出費でつけてもいいでしょう。ただし持病などで定期的に通院している日場合は特別出費から「診察料」だけ別につけたほうがいいかもしれません。
娯楽費
遊びに行った際に使ったお金や趣味を楽しむために使ったお金は「娯楽費」として一括りにしてもいいでしょう。食費でも言いましたが外食費も娯楽費に入れた方がいいと思います。
また娯楽費を「その他」でつけると使途不明金も含められます。ここの支出が多いと無駄遣いが多い可能性があるので家計簿をつけてみて支出が多いと感じたら節約に取り組んでください。
教育費
知識を深めたり勉強したりするために使った支出は教育費に該当します。教育費は家族構成によって少し内容が変わります。
独身の人であればセミナーや勉強会の参加費や教材購入費などが教育費にあたります。お子さんがいる場合は“お子さんのための教育費”となり、学校イベント参加費や文房具代だったり塾の月謝などが当てはまります。
家計簿につける必要性が少ない項目

先ほど家計簿につけるべき項目を7つ紹介しました。しかし逆に無理に家計簿につける必要がない項目もあります。
もちろんお金の使い道を正確に知りたいのであればつけるべきではありません。ただ収支のバランスを把握するうえではそこまで必要性が高いわけではないので、他の項目と一緒にしてしても大丈夫です。
特に「光熱費」「衣服・美容代」「外食費」は人によって別の項目に入れてもいいと思います。
光熱費
光熱費は電気・水道・ガスの料金の総称を指します。それぞれバラバラに家計簿につけてもいいですが、基本的に月によって料金が大きく変わることは少ないので「固定費」としてくくってもいいと思います。
少なくとも電気代、水道代、ガス代と分ける必要はあまりありません。3つまとめて「光熱費」で家計簿につけるだけでも十分なので項目を細かく分けてチマチマつけるのに拒否反応が出てしまう人はまとめてつけてしまいましょう。
衣服・美容代
性別や年齢によって衣服や美容にかけるお金は変わってきます。とはいえ衣服・美容代をあけないと生活がままならない・・・という人はそこまで多くないと思うので、他の支出とまとめてしまってもいいでしょう。
例えば
毎月支出が発生しているのであれば「雑費」
年に数回しか支出が発生しないのであれば「娯楽費」
に入れてしまってもいいと思います。毎月の支出額や利用頻度に応じてうまくまとめてみてください。
外食費
食費のところでもお話ししましたが、基本的に外食は「娯楽」なので娯楽費としてつければいいと思います。そもそも外食は食事をする以外の目的で利用している人がほとんどですから。
下記ページでも紹介していますが、上手に外食している人は月々食費とは別に外食にかける予算をきちんと確保しています。外食費を食費に入れるとやりくりが相当大変になるので外食費は娯楽費として計算していきましょう。
家計簿につける項目を決めるポイント

これまで
家計簿でつけた方がいい項目
家計簿につける必要が低い項目
をそれぞれ紹介しました。もちろん最終的には個人で家計簿につける項目を決めてつけていってください。
ただ、家計簿につける項目を決めるうえで、次のポイントは押さえておきましょう。そうすればストレスなく家計簿を続けられるはずですから。
各支出を“大枠”で考える
細かくつければつけるほど、何にいくらお金を使ったか?が分かりますし、どこから節約をしていけばいいのか?も明確になります。ただ、あまり細かくしすぎると今度は家計簿をつける作業が複雑になっていきます。
細かい作業が苦にならない人ならいいですが、家計簿をやめてしまう人の多くは「めんどくさくなったから」が原因ではないでしょうか?家計簿にかける作業を簡素化させるためにもあまり多くの項目をつけず、なるべく大枠で考えてつけるようにしましょう。
「家計簿=簿記」ではない
ごくまれに家計簿を“簿記”と同じと思っている人がいます。確かに簿記と家計簿はベクトル的に似ているかもしれませんが、根本的には全く違うものです。
つまり、簿記の知識や経験など家計簿をつけるうえでは必要ありませんし、簿記ほど正確なものをつける意味もありません。極端な言い方をすれば月々の収支のバランスが分かるつけ方さえすれば家計簿としては正解なのです。
あまり深く考える必要も細かく正確につける必要もありません。家計簿のつけ方は下記ページで紹介しているのでそちらを参考にしてください。
つけた家計簿を見直すことを前提に項目を考える
家計簿は「つけて終わり」ではなく、つけ終わった後に見直すのが重要。そこから節約すべきポイントや無駄遣いしている支出を発見し、余計な支出を抑える行動に移れるのです。
大事なのは家計簿をつけることよりもつけた家計簿から何を見つけるか?です。
具体的なやりくりの方法については下記ページで紹介します。そして正しいやりくりの仕方を実践するには家計簿の見直しは必須なので“見やすさ”に気を付けてつけていきましょう。
まとめ
ここでは家計簿につける「項目」を中心にお話ししてきました。家計簿につける項目はテキトーに考えていると家計簿を複雑化させる要因にもなりますので、あらかじめどの項目をつけるか?を考えてから始められた方がいいでしょう。
項目をきちんと定めておけばつける作業も緩和されますし見直した時に収支状況がどうなっているか?も一目でわかります。もし家計簿をつけていて挫折してしまったのであれば“つける項目”をきちんと考えて再チャレンジしてみてください。