家賃&住宅ローン節約

新居探しで失敗しないための家計に負担をかけない家賃の目安

生活費の支出の中でほとんどの人が節約しない項目が「家賃」です。家賃は他の生活費に比べて努力して減らせるわけでもありませんし、見直しても毎月の支払いが減ることも少ないです。

そのため、今の住まいから新しい場所に引っ越す際にしっかりと収入と家賃のバランスを考えて新居を選ばないと家賃が生活費を圧迫し、どれだけ節約しても貯金ができない状態になりかねません。

また、次に住む住まいの家族構成によっても家賃は大きく変わってきます。これから一人暮らしを始める人と、結婚して新婚生活を始める人達とでは、必要な間取りはもちろん、かけられる家賃の上限も変わってくるはず。

そこでここでは、生活費に負担がかからない家賃の目安がどのくらいなのかについてお話しします。特に

・家賃と給料との関係
・一人暮らしと新婚との家賃の目安の違い

の2点について言及してきますので、これから新居を探される人はここでお話ししていることを参考にしてもらえばと思います。

 

家賃と給料の割合について

家賃3自分が住む住居の家賃の目安としてまず注目すべきはやはり“収入(給料)”です。いかに立地や間取りが気に入っても、毎月の家賃が支払えないと追い出されてしまうからです。

では収入に対して家賃はどのくらいの割合がベストなのか?一般的には年収の25%が年間家賃総額として適正と言われています。例えば年収が400万円の人であれば1年間で支払う家賃は100万円くらいが目安だということ。

行動経済成長期の頃は勤続年数に比例して給料が上がっていたため、家賃は月収の1/3がいいと言われていました。しかし近年はサラリーマンの年収も下がっており、昔と経済事情が大きく異なるため、月収の1/3を家賃で取られてしまうと家計が圧迫される可能性が高くなります。

もちろん収入が多ければ家賃にかけられるお金は増えていきます。月収の1/3を家賃で支払っても普通に生活することもできるでしょう。

ですが、昨今いつ何が起こるか分からない以上、家賃にそこまでかけるのではなくなるべく抑えて浮いたお金を貯金に回すほうが賢明な判断と言えます。「5年後も問題なく支払われているのか?」という点から考えると月収の1/3はかけすぎというのが今の家賃の目安のようです。

また、年収によって家賃にかかる負担の度合いは異なります。例えば『年収400万円未満』『年収500~800万円』『年収800万円以上』によって、目安となる家賃も部屋を選ぶためのポイントも変わってきます。

年収400万円未満の人の部屋選び

平均400万円未満の人の家賃の目安としては月に6~8万円程度。間取りも一人暮らしの場合ならワンルーム、夫婦で住んでいるならアクセスは悪いけど広めの部屋を選ぶ人が多い傾向にあります。

仮に年収が400万円だった場合、年間で支払う家賃の目安は100万円となり、1か月あたりに換算すると約8万円強となります。これ以上高い家賃を支払っているのであれば、思い切って安いところに引っ越すか、家計のやりくりを徹底して節約する必要があります。

年収500~800万円の人の部屋選び

年収500万円の人であれば家賃の目安としては一ヶ月あたり10万円程度、600万円の人であれば12万円くらいが上限くらいになります。そのため、ある程度自分の希望の間取りや立地の場所に住むことができます。

また年収が800万円くらいになると家賃にかけられる目安は13万円くらいになります。ここまで来ると賃貸で借りるのではなくローンを組んで住宅を買ったほうが・・・と思う人もいるようです。

年収800万円以上の人の部屋選び

年収が1000万円以上あれば、家賃にかけられる目安は20万円くらいなので、賃貸を選ぶ時はあまり家賃を気にせず選ぶことができるでしょう。また賃貸ではなく一戸建てやマンションを購入することも選択肢の中に入ると思います。

ただ家賃にかけられる目安が上がるからといって上限ギリギリのところに住む必要はありません。目安よりも安いところに住んで、浮いたお金は貯金に回したりするなど、家賃以外のことに使うのもアリです。

 

2つのシチュエーションから考える家賃の目安

家賃4給料以外のポイントとして、家賃を決める目安の1つが家族構成です。特に賃貸住宅に住む家族構成として「一人暮らし」と「新婚夫婦」のパターンがあります。

一人暮らしの場合は、1人分の収入で家賃やそれ以外の生活費を支払わないといけないため、上限よりも高い家賃で住んでしまうとかなり苦しい生活を強いられます。ですので、間取りや立地よりも家賃を優先的に選んだほうがいいでしょう。

また新婚の住まいとする場合は、共働きすることによって家計の収入を増やすことができます。そのため、一人暮らしの場合に比べて家賃の割合を高めにしても生活することはできるはずです。

ただし、子供ができたりなど家族構成が変わる可能性があるため、あまり家賃をかけすぎると今後の生活に支障をきたす可能性があります。このあたりは新居を選ぶ際に夫婦で話し合ってから部屋選びをしてもらえばと思います。

一人暮らしの平均家賃

新生活まるごと応援サイト:LISCOM(リスコム)がとったアンケートでは、一人暮らしの人の平均家賃は56,000円で、95%以上の人が8万円以下という結果になりました。また地域によっても平均家賃の差があり、東京(23区)で6.5万円、安いところだと札幌で3.5万円と3万円以上離れています。

家賃2

また間取りも同じワンルームで東京と札幌とでは広さが違ったりします。地域によって物価が違うため、都市圏に住む場合はある程度間取りの狭さや立地の悪さを覚悟して探した方がいいでしょう。

また、学生と社会人とでもある程度家賃や必要な間取りが異なります。学生であれば親からの仕送りや奨学金などといった収入があるため、自分の収入がそこまで多くなくてもそれなりの生活はできます。

しかし社会人になれば奨学金はありませんし親からの仕送りも期待できません。そのため、収入次第ではより家賃が安いところに引っ越さないといけなくなる人もいるでしょう。

新婚夫婦が住む住宅の家賃の目安

結婚する前に準備するものの1つが「新居」です。この場合、一人暮らしと違って2人で住む家を探すため、ある程度間取りにも気を使って選ぶ必要があります。

結婚式場選びサイト「みんなのウエディング」でアンケートを取ったところ、新婚カップルの77%が、新居に賃貸住宅を選んでおり、持ち家(マンション・一戸建て含む)を選んだ人は18%しかいませんでした。

つまり、新婚したばかりの家庭のほとんどが賃貸住宅を選んでいるということ。その理由は賃貸住宅の方が臨機応変な引っ越しができるからです。

新婚当初はまだライフスタイルが確立していないため、住んでみないと分からないことが多々あります。お互いの職場までの通勤方法だったり、住んでみて周りの環境が我慢できなかったり・・・。

こうした不便さや不満が表面に出た場合、賃貸であればすぐに引越しをすることができます。また近隣のトラブルに巻き込まれた場合でも、賃貸であればすぐに引越しという選択肢をとることができます。

ただし、賃貸住宅にもデメリットがあります。その1つが“賃貸ならではの制約”を守らないといけないことです。

例えば持家であれば部屋をどのように改造しても誰にも怒られる心配はありません。しかし賃貸住宅で退去する場合、「原状回復」が原則なため、好きなように改造すると復帰させるのにまたお金がかかってしまいます。

それ以外にも壁やフローリングなどに傷をつけないよう生活に配慮する必要がでたりと、気兼ねなく生活ができないことも賃貸住宅に住むデメリットと言えるでしょう。

このように、賃貸住宅に住むといってもメリットもあればデメリットもあります。こうした長所と短所を総合的に考えても、まずは賃貸住宅に住むことを選ぶ新婚夫婦が多いのが現状です。

では新婚夫婦が賃貸住宅を選ぶ際、家賃はどのくらいのところを選んでいるのか?結婚式場選びサイト「みんなのウエディング」でのアンケートでは以下のような結果になりました。

<収入に対する家賃の割合ランキング>

第1位 16~20% 25%
第2位 21~25% 21%
第3位 26~30% 18%
第4位 11~15% 16%
第5位 10%以下   6%
第6位 31~35%  5%
第7位 36~40%  1%

引用:みんなのウエディング

一般的には収入の30%以内に抑える人が全体の86%を占めていました。しかしこれは、現在の夫婦生活や今後どういった家庭を作っていきたいかによっても大きく変わってきます。

その1つの基準が「子供」です。

子供を作る予定のない家庭の場合

子供を作る気がない場合、長く夫婦共働きで家計を支えることができるため、多少家賃の割合が高くなっても十分生活をすることができます。家賃の割合が30%近くある新婚夫婦のほとんどが夫婦共働きの家庭といっていいでしょう。

こうした子供にかけるお金を自分達の生活にかけることによって、より豊かなライフスタイルを置くことができます。ただし、生活環境が豊かになっていくとそこからランクダウンさせることが難しくなる側面も持っています。

「もっと便利な場所に」「もっと広い部屋に」と希望ばかり求めしまうといざという時ライフスタイルを落とすことができません。ですので、ある程度期限をもってそのライフスタイルを楽しむようにすることが大事になっていきます。

子供を作る予定の家庭の場合

将来的に子供を作る場合、出産や育児のためにお金がある程度必要になってきます。そのため、家賃をソコソコに抑えて子供のためのお金を取っておきましょう。

目安としては収入の2.5~3割くらいが上限。それ以上は今後の生活費等に影響を与えかねないため、なるべく家賃はこのくらいに抑えてなるべく貯金に回すようにしましょう。

もちろん、それ以外の生活費もしっかり節約して支出を抑える努力も必要です。将来かかるお金を考えて、どのくらいの家賃の住まいに住むかを2人でしっかり話し合ってから住まいを選んでください。

 

ライフスタイルに合った部屋選びを

誰もが部屋を選ぶ時、家賃だけでなく間取りや周辺の施設などを考えて選ぶと思います。なぜなら、住まい1つ違うだけでライフスタイルが大きく変わってくるからです。

そして、生活費の中で家賃がどのくらいの割合を占めているかによってもライフスタイルは大きく変わってきます。割合が大きければ節約を徹底しないといけなくなりますし、だからといって小さくしようとすると不便なところしか住めなくなります。

大事なのは、家賃と住まいに対するこだわりとのバランスです。ですので、新居を探す際はあまり即決せずいろいろ吟味してから慎重に選ぶようにしましょう。