結婚してからの貯金

楽しい老後を送るために貯めておくべき生活費の最低ライン

楽しい老後を過ごすためには生活にかかるお金の不安を取り除く必要があります。年齢を重ねれば勤めていた会社は定年退職するため収入は今より減る可能性が高いため、ある程度貯蓄を切り崩して・・・という家庭がほとんどだと思います。

つまり「楽しい老後を迎えるにはいくら必要なのか?」に目星をつけておくことが重要。そこから最低貯金がいくらあれば安心か?が逆算できますし、今からすべき行動も明確になってきます。

そこでここでは“楽しい老後”を過ごすための生活費の最低ラインや今からすべきことについて調べたことをまとめて紹介します。ずいぶん先の事と思うかもしれませんが、未来の不安を今のうちから払しょくしておくと後々苦労しなくて済むのでぜひ参考程度までに読んでいってください。

老後の必要生活費はいくら?

まず単純に「老後の生活費」がいくら必要か?についてお話しします。ちなみにここで紹介する生活費の金額はあくまでも統計から算出されたもので、各家庭の生活習慣や住んでいる場所などによって多少差が出る点だけご理解ください。

「AllAbout」というサイトに『会計調査報告(家計収支編)-平成25年平均速報結果の概況-』が掲載されていました。この結果には高齢夫婦の無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の家計収支が掲載されていました。

それがこちら

・収入 21万4863円 (うち社会保障給付 20万309円)
・消費支出 24万2598円
・非消費支出 2万9857円
・収入-支出 ▲5万7592円

社会保障給付=公的年金等とすると、毎月の公的年金では不足する金額は「社会保障給付-消費支出-非消費支出=20万309円-24万2598円-2万9857円=▲7万2146円」です。老後期間15年に必要な生活資金は約1300万円、20年では約1700万円になります。

■老後期間15年(65歳~80歳の期間)
7万2146円×12カ月×15年=1298万6280円

■老後期間20年(65歳~85歳の期間)
7万2146円×12カ月×20年=1731万5040円

参考:AllAbout

つまり老後で職につかず年金のみで生活しようとした場合、20年間過ごすに必要な貯金は約1700万円ということになります。逆に言えば定年退職する前に1700万円の貯金がないと定年後も仕事をして生活費を稼ぐ必要が出てくる・・・とも言えます。

近年定年後も再就職する人も「働きたい」という人も増えているので絶対に1700万円の貯金が必要!というわけではありませんが、老後のことを考えて貯金をするのであれば1つのボーダーラインとして考えておくといいでしょう。

「楽しい老後」を過ごすにはいくら必要?

先ほど紹介した数字を見て「意外と少ないんだな?」と感じた人もいるかもしれません。しかし約1700万円はあくまでも老後に必要な“生活費”であり、それ以外の費用は含まれていません。

例えば

老後に楽しむ趣味に使うお金
自宅をリフォームするお金
子供や孫に使うお金

などなど。老後になっても生活費以外の支出はたくさんあります。

ただ生活するだけで「楽しい」と感じる人はいません。楽しい老後を迎えるためには楽しい時間を過ごすためのお金も必要になってきますし、それらの支出もあらかじめ予測して老後に必要な貯金を貯めるのが大切です。

では“楽しい老後”を過ごすためにはいくらあれば安心なのか?『ZUU Online』では老後を楽しく生きるために必要なお金は約3700万円と言われています。

では、90歳まで生きるとして、いくらくらいの資金を用意しておけばいいのだろうか。

総務省の家計調査(29年)http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf によると、2人以上の高齢無職世帯の平均的な収入は20万4587円で、年金などの社会保障給付の額は17万5799円。一方の消費支出は23万7682円だった。仮に年金収入だけで生活しようとすれば、月約6万円の赤字となる。さらに、税金や突然の支出などを月5万円と見込むと、毎月11万円の赤字となってしまう。

これを元に65歳から90歳までの赤字総額を想定すると、11万円×12カ月×26年で3432万円となる。これに医療や介護の費用300万円を加えた3732万円が老後のために必要な資金といえるのではないだろうか。

引用:ZUU Online
2018年11月4日公開

もちろんこの数字も家庭によって左右される。例えば定年を迎える前に自宅をリフォームしていたらリフォーム代を考える必要はないですから必要なお金は減りますよね?

とはいえ、楽しく老後を過ごすためには生活費プラスアルファのお金がかかるのは間違いありません。「老後を楽しく過ごすなら生活費だけストックしておけばいい」というわけではないので、その点は間違えないように。

老後の資金は「1億円必要」という意見も

先ほどのお話では『楽しい老後を過ごすには約3700万円必要』と言いました。しかし実際に楽しい老後を過ごすための必要支出は各専門家によってバラバラなのが現状です。

中には“1億円は必要”という意見もあります。

社会保険労務士の井戸美枝さんは1人当たり5000万円、夫婦なら1億円のお金が老後には必要だと東洋経済ONLINEのコラムで主張しています。

「そんなに必要なの?」という声も聞こえてきそうですが、必要です。よく考えてみて下さい。歳を取ると行動範囲が狭くなるし、食べる量も減るから、おカネはあまり使わないのではないかと考えてしまいがちですが、そんなことはありません。

たとえば持ち家の人だと、定年になったところでリフォームを行うケースが多く見られます。築30年くらいになれば、いろいろな箇所にガタが来ますから、終の棲家になることを想定して、壊れたところを修繕しておきたいと考えるのでしょう。

また、最近は晩婚化が進んでいますから、自分が定年になった時、子供が結婚していないことも考えられます。子供の結婚にかかる費用を、親が負担するケースは少なくありません。

自分が60歳前後の時、親が90歳前後で要介護だったら、その費用負担も発生しますし、自分自身も決して若くはないわけですから、医療費の負担がかさんでくるでしょう。

このように、定年を迎えてからも、いろいろとおカネは必要なのです。しかも、いずれも金額的にはかなりまとまった額になるはずです。それらの負担を考慮に入れたら、3000万円程度の貯蓄だと、あっという間に食い潰してしまいます。

引用:東洋経済ONLINE
2015年4月8日掲載

井戸さんが1億円必要な理由として挙げた

・自宅のリフォーム費用
・子供の結婚資金
・自分の親の介護費

などは人によって必要・不要が変わってきます。例えばすでに両親を亡くしていたり、子供が結婚しているのであれば「子供の結婚資金」と「自分の親の介護費」は必要支出から除外されますよね?

このように老後にいくら必要か?は人によって変わってきます。老後にかかるお金をある程度計画しながら「このくらいあると安心」というラインを見つけておくといいでしょう。

楽しい老後を過ごすために今からすべきこと

実際にいくら必要か?は各家庭によって異なりますが、少なくとも楽しい老後を過ごすためには数千万円ものお金が必要になります。残念ながらすぐに貯められるお金ではありませんから、早めに対策を取るのがいいと思います。

具体的には次の5つの行動はとっておくべきかと。どれも別に難しい勉強が必要なわけではないのでできるものから行動に移してみて下さい。

1.家計を見直して貯金を始める

老後になっても年金などある程度収入はあります。しかし働いていた時に比べると収入はガクッと下がりますから、ある程度貯金を切り崩しながら生活していないといけません。

そのため、老後の生活費のために今のうちから節約を心がけて貯金を始めましょう。特に節約については早めに取り掛かるとその使い方が“習慣化”され、老後になっても無駄遣いが少なくなります。

老後のお金の使い方を習慣化させる意味でも、お金の使い方を見直して節約を心がける生活を始めてみまあしょう。

2.将来を見据えた保険に加入する

年を重ねれば当然病気やケガをするリスクは高くなります。そのため医療保険や生命保険は必ず入っておくように。

保険に加入しておけば、万が一治療費が高額になっても保障によってカバーできます。つまり『病気になった時の治療費』を貯金から出す必要がなくなるため、老後までに用意しておくお金が減る・・・ということ。

ただし、保険は保障内容や年齢によって保険料が変わってきます。その時々によって必要な保障が変わってきますので、定期的に保険を見直して生活の支出を抑えるようにしましょう。

老後に向けた保険の見直し方については下記ページで紹介しています。見直すタイミングや重視する点などを紹介しているので参考にしてください。

3.生涯楽しめる趣味を見つける

老後になれば収入は下がりますから、今まで以上に余計な支出を増やさない生活が求められます。しかし仕事もせず家にずっといるだけではつまらないので何か夢中になれる趣味は作るといいでしょう。

老後は仕事に費やす時間がほとんどなくなるため暇を持て余しがちです。せっかく仕事から解放されたのに「やることない」生活はむなしいので、生涯楽しめる趣味を今のうちに見つけておくと老後が楽しみになるでしょう。

ただし、選ぶ趣味によって支出の度合いは変わってきます。どんな趣味を選ぶか?は自由ですが家計に適さない趣味は避けるように。

4.定年したら「お得」になるサービスを調べる

ある程度の年齢になると色々なサービスを受けられるものがあります。こういったシニア向けのサービスを受けることで支出を安く抑えられるので、シニアサービスをしているところはどこか?を調べておくといいでしょう。

特に調べておく必要があるのは自治体などが提供している公共サービス。場合によっては申請が必要だったりするので、役所などで聞いておくといいと思います。

それ以外だと映画館で開催している「シニア割」などがあります。他にもシニア割を実施しているサービスはありますのであらかじめ知っておくと便利ですよ。

5.働かなくても入ってくる収入を作る

会社を定年退職すれば『給料』はなくなります。ならば別の方法で収入を増やす・・・というのも1つの方法です。

特に最近は定年退職後も再就職して働いている人もいます。ですが、いつ働けなくなるか分からないため、できれば“働かなくても入ってくる収入”は持っておくべきではないでしょうか?

例えば「資産運用」や「積み立て投資」は若いうちから始めておくと老後には1ヶ月分の生活費をカバーできる収入が毎月入ってくる可能性を秘めています。もちろん資産を損失するリスクはありますが、きちんと勉強と経験を積めば老後の大きな収入源の1つとなるでしょう。

資産運用を始めるなら「お金の勉強は大切」

若いうちから資産運用に興味を持ち、タイミングがあれば取り組んでみるべきだと思います。ただ、失敗のリスクはありますからきちんと勉強をして資産運用のポイントをつかむのは必須。

具体的には“お金”についての勉強から始めるのがいいでしょう。

そもそも日本ではお金についての勉強を学校では教えていないため、多くの人が独学やら経験の中ら覚えていきます。そのため、お金についての知識が人によってバラバラとなり、正しく身に着けた人が少ないのが現状なのではないでしょうか?

近年、お金についての情報や知識は書籍や雑誌などでも取り上げられています。また無料で参加できるマネーセミナーも開催されていますので、今後お金で苦労しない人生を送るためにもお金の勉強は時間を作って取り組んでおきましょう。

毎月無料で開催しているマネーセミナーで有名なのは「お金の教養講座」です。下記ぺーz-で自分が参加した時の感想などを紹介していますので興味があればぜひチャックしてみてください。

まとめ

楽しい老後を過ごすためのお金としていくら必要か?についてはいろいろな専門家がいろいろな意見を言っています。老後の過ごし方によっても必要なお金は変わってきますので『理想の老後の過ごし方』を考えつつ、少しずつ未来の準備をしていくのがいいと思います。

老後について楽観してはいけませんが悲観する必要もありません。今の人生を楽しみつつ将来ためにもお金の使い方や貯金を始めていきましょう。

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