ゲームへの課金

「ゲームに課金」は無駄遣いか?趣味への投資か?

ここ数年ゲームの形も大きく変わりました。ゲームソフトにお金を使わずゲーム内で使えるアイテムやキャラをお金(リアルマネー)で購入する「課金」がゲームを使ったビジネスモデルになっています。

ただこのゲームへの課金、一部の人には全く理解されず「ゲームに課金するのはお金の無駄」という主張も根強いのが現状。

ゲームで楽しむこと自体は趣味として理解できるものの「課金してまで遊ぶものか?」という点に関しては賛否両論あります。果たしてゲームの課金は“無駄”なのか?それとも“趣味への投資”なのか?この辺りについて考えていきましょう。

『ゲームに課金する』の定義

まず「ゲームの課金がどういったものなのか?」についてお話していきます。ゲームの課金とは“ゲーム内コンテンツを購入する行為を指します。

実はお金を使ってゲームで遊ぶという行為そのものは昔から多くの人が経験しています。ですが議論を呼んでいる「ゲームの課金」は今までのお金を使ってゲームを遊ぶのとは少し違います。

ここでいうゲームの課金については次の2つの定義に該当しているものを指します。

1.ソーシャルゲーム(ソシャゲ)にお金を使うこと

ソーシャルゲームとはパソコンやスマホなどで遊べるゲームを指します。ソーシャルゲームのほとんどは遊ぶだけしたら無料で遊べます。

ただし、ゲーム内で使える一部のアイテムやキャラクターは「ガチャ」を回して手に入れる必要があります。ガチャを回すにはゲーム内でもらえる素材を使うのですが、これを手っ取り早く獲得する方法が『お金で買う(課金する)』です。

ガチャから出るアイテムは一定の確率のもとランダムになっています。当然レア度が高いものほど輩出率が低いため、運が悪いと何十回もガチャをしないと出ません。

もちろんガチャに必要な素材はゲーム内でももらえます。しかし集める量に限りがあるためガチャを回せる回数には限りが出てくる。

そこでお金を使って素材を購入し、ガチャを回すという行為を「ゲームの課金」と位置づけます。

2.毎月一定金額ゲームに課金すること

そもそも『ゲームをするのにお金を払う』文化というのは昔からありました。例えば家庭でゲームをする場合、PS4やNitendoSwitchなどのハードを購入し、そのハードで遊べるソフトを買いますよね?

またゲームセンターでアーケードゲームなどを遊ぶにもお金が必要です。もちろんUFOキャッチャーも景品がもらえるとはいえ遊ぶにはお金がかかります。

ソシャゲのガチャを回すためにお金を使うのもたまに使うくらいであればそこまで世間でも問題視されませんでした。ただ、欲しいものが輩出されないがためにどんどんお金を使ってガチャを回す人が増えたことで大きな問題になっているのです。

特に課金がクセになってしまうと毎月数万円レベルで課金している人もいます。もちろんそれでも生活ができるのであれば別にいいのですが、中にはゲームの課金が原因で借金を背負ったり家庭を壊してしまった人もいます。

ゲームに深くハマればその分課金に対するハードルも低くなります。毎月「ゲームに使うお金」として一定額以上を課金に使っている状態をここでは「ゲームに課金する」としてお話ししていきます。

ゲームに課金するメリット

まずはゲームへの課金が「趣味への投資」という主張から考えてみましょう。ゲームに関するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

大きく分けると次の3つがメリットとして挙げられます。

1.ほしいアイテムが手に入りやすい

課金する主な目的は先ほど紹介した「ガチャ」を回すため。ガチャによって輩出されるアイテムを獲得したくて回すのですが、ガチャの輩出は基本的にランダムのため欲しいアイテムがすぐに手に入る場合もあればなかなか出ない場合もあります。

となると、当然ガチャを多く回せばほしいアイテムが手に入りやすいですよね?

輩出率が確率になっている以上、多く回せばそれだけ当たる可能性は高くなります。ガチャを回す素材については多くのゲームはゲーム内で獲得できますが課金すればすぐにガチャが回せるようになるため、課金しない人に比べてアイテムが手に入りやすいと言えるでしょう。

2.時間をかけずに強くできる

1.で紹介した「アイテムが手に入りやすい」ですが、なぜほしいか?というとゲームの攻略が簡単になるからです。ガチャで輩出されるアイテムはゲーム攻略に直結しているものがほとんどで、手持ちにあるかないかでゲームの難易度が大きく変わります。

そのためガチャを引く素材を集める時間が短縮でき、短時間で強くしてクリアできるようになります。「育成とかめんどくさい」「時間がかかるのはちょっと・・・」と言って課金して強くする人も実際に少なくありません。

3.ちょっとした優越感を味わえる

ソーシャルゲームの場合、一人で楽しむこともできますが仲間内とのマルチプレイでわいわい遊べるようになっているものも多いです。この時レア度が高いアイテムを持っているとちょっとした優越感に浸れます。

完全に自己満足な理由ではありますがそれがゲームのモチベーションにつながっている人もいます。趣味と考えれば自己満足なものにお金を使うのもアリなので、ゲームの課金も『趣味への投資』という理屈になります。

『ゲームに課金は無駄』という人達の主張

ゲームに課金する人がいる一方「ゲームに課金するなんてお金の無駄だ!」という人もいます。「お金の無駄」という人の中にはそもそもゲームをしない人もいますが、普段からゲームが好きな人でも「課金はしない」と考えている人も少なくありません。

では「課金がお金の無駄」と主張している人の言い分にはどんなものが多いのでしょうか?大きく分けると3つあります。

1.お金を払って得られるものがない

主にPS4などのハード機を買って楽しむゲームが好きな人に多い意見が「お金を払っても得られるものがない」というもの。ゲームの課金は“ゲーム内アイテム”を購入するため、何かが自宅に届いたり形として残るわけではありません。

つまり、使わなくなったらリサイクルショップや中古ゲーム屋さんに売ったりできない・・・ということ。

ハードやソフトなど形が残るものであれば売却することで多少なりとも使ったお金が戻ってきます。しかしゲームに課金してもそのゲームをやらなくなったら“使い損”になるため、「お金の無駄だ」と主張しているわけです。

2.何も手元に残らない

先ほども言いましたがゲームの課金はゲーム内の『データ』を買っている行為を指します。つまり何かが届いたり手に入ったりしない・・・ということ。

特に普段からあまりゲームをしない人からするとそのゲームでしか使えないアイテムを買うのにお金を使うのが理解できないのでしょう。

3.ゲームをやめたら課金が無駄になる

ソーシャルゲーム運営会社も会社の利益のためにサービスを展開しています。運営に伴う費用よりも課金による売り上げが少なければ「サービス終了」という選択肢も当然出てきます。

課金したゲームがサービス終了しても、課金したお金は返ってきません。またゲームを途中でやめてしまっても当然返金などには応じてくれません。

つまり今は「楽しいから」と課金していても、いずれ辞めたり終了したりするゲームにお金をかける価値があるのか?そう考えると「課金はお金の無駄」という結論にたどり着く・・・というわけです。

本当に『ゲームに課金』は無駄なのか?

ここまでゲーム課金に対する“賛成派”と“反対派”の両方の主張をまとめてみました。では、結論としてどちらの主張が正しいのでしょうか?

個人的な感想を言えばどちらも間違っていないと思います。

ゲームをより楽しむためにお金を使う(課金する)のは決して間違った使い方ではないですし、ゲームに課金しなくても他で無駄遣いしていたら結局は「お金の無駄」ですよね?大事なのは“後悔しないお金の使い方”をすることであり、ゲームへの課金が後悔しない選択であればそれはそれでいいのではないでしょうか?

ただし、ゲームへの課金は決して生活に必要なものではありません。ゲームは趣味の範囲を超えませんから「課金のし過ぎ」には注意しましょう。

『子供に課金させるべき』といった林修先生の真意

ゲームへの課金が無駄なのか?については個人の価値観が大きく影響します。どれだけ回りが「お金の無駄だ」と言っても、当の本人が「いや、これは趣味に使うお金だ!」と思い込んでいたら話はずっと平行線のままです。

つまりゲームの課金が無駄遣いかどうかは実際に課金して身をもって体験しないと分からないのです。以前林修先生がお金の使い方を教える方法として

「お年玉で子供に課金させるべき」

とテレビで主張していました。その真意は以下の通りです。

5月27日に放送された『初耳学』(TBS系)に、予備校講師でタレントの林修が出演。お金に関する教育を導入する必要性を強調した。

林は「日本は義務教育でお金の授業をすべき」と切り出した。アメリカの有力格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが各国の16歳以上を対象に実施した調査で、金融知識に関する4つの問題に3つ以上答えられた人の割合が日本は43%にとどまり、カナダ(68%)、ドイツ(67%)など、他の先進国と比べて低い結果だったと説明する。

~中略~

子供のために親が今からでもできるお金の教育について、林は「お年玉でスマホゲームに課金させるべき」と提案。「子供は課金が無駄遣いかどうか分からない。使ってしまってお金がないという喪失感や『あのお金を節約しておけば(ほしいものが)買えたよな…』、そういう思いを幼い頃に経験することに意味がある」と、あえて無駄遣いを経験させることでお金の大切さを学ばせることが重要だと語った。

参考資料:@niftyニュース
2018年5月28日掲載

社会で問題になっている課金の多くはゲームシステムにだけ問題があるわけではありません。お金を使っているユーザーにも原因があります。

ソーシャルゲームで上手に遊ぶためには「お金の知識」も必要な時代になっています。下記ページでしょうかしているマネースクールに参加したり自身のお金の使い方を反省したりして無理のない範囲でお金を使ってゲームで遊ぶのがいいのではないでしょうか?

正しいお金の使い方を教えてくれる無料マネースクール

課金で後悔せず楽しくゲームで遊ぶためには?

先ほども言いましたが、ゲームに課金するのは“趣味に使うお金”なのでアリだと思います。ただし生活に支障が出ないレベルであれば・・・というのが大前提。

生活費を削ってまでゲームに課金する価値はありませんし、いくらゲームで強くなっても生活がラクになるわけではありませんからね。自分の許容を超えた課金をしないよう日頃から十分注意してください。

無理な課金をしないための対策として次の3つがおすすめです。

1.課金に対するルールを決める

ゲームに課金するためのルールを設けておくと、課金額のふくらみを抑制できます。ゲームへの課金は意外と簡単に手続きできるため、マイルールを作って課金への歯止めをかけるようにしましょう。

課金に対するルールについては下記ページで紹介しています。これらを参考に「どういうルールを作ったら課金が止められるか?」を自分なりに考えて取り組んでみてください。

2.「後悔しそう」と感じたら課金をしない

上手に課金してゲームを楽しんでいる人達は後悔しそうな状態では課金しません。課金する前に

「課金しても大丈夫かな?」
「もしこれでダメだったらどうしよう?」

と少しでも思ったらいったん課金せずにしばらく時間をおいて様子を見ます。課金したくなる衝動は“衝動買い”したくなる気持ちを類似しているので、ちょっとでもネガティブな気持ちが出てきた時にお金を使っても100%後悔するので、そういう時は課金を控えましょう。

3.適切な距離を取ってゲームを楽しむ

課金してでも強くしたい気持ちは分かります。しかしムキになってゲームをクリアする必要はありませんし、勝てなかったからと言って何かペナルティを受けるわけでもありません。

ソーシャルゲームでムキになればなるほど課金欲が出てきますので、自分のペースを守ってゲームを楽しんでください。そうすれば「課金したい」という気持ちも頻繁に生まれてこなくなるはずですから。

まとめ

ゲームの課金に対しては「無駄」という声も小さくありません。ただゲームは“趣味”でありゲームへの課金は趣味を楽しむ費用でもあるので、一概に「無駄遣い」と切り捨てるのはどうなのか?・・・というのが率直な意見です。

もちろん食費などの生活費をケチってまでゲームに課金するのは厳禁。自由に使えるお金の範囲内でゲームにお金を使って楽しく遊んでください。